薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2020/05/01

学校薬剤師の仕事内容から報酬相場・求められるスキルまでを紹介

薬剤師を目指している方や、薬剤師として転職を考えている方の中には、「学校薬剤師」という職業を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
調剤薬局やドラッグストアなどに勤務する薬剤師と比べると、学校薬剤師として働いている方は少ないという現状があります。そのため、学校薬剤師に関する情報も少なく、学校薬剤師の仕事がどのようなものか分からない方も珍しくありません。

当記事では、学校薬剤師の仕事内容や役割について解説します。報酬の相場や求められるスキル、学校薬剤師になるための方法も併せて確認し、就職・転職の参考にしてください。

1.学校薬剤師とは?仕事内容も紹介

学校薬剤師とは、大学を除く以下のような学校に勤務する薬剤師のことを指しています。

  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校
  • 義務教育学校
  • 高等学校
  • 中等教育学校
  • 特別支援学校
  • 高等専門学校
  • 認定こども園
  • 専修学校

これらの学校は、学校保健安全法の第23条により、学校薬剤師を配置することが義務付けられています。

1931年頃、北海道の小樽市で学校薬剤師制度が導入されたことが、学校薬剤師の始まりです。その後全国にも波及し、1958年に学校保健法が制定された際に、学校医や学校歯科医とともに学校薬剤師の設置が義務付けられるようになりました。

1-1.仕事内容

学校医や学校歯科医は、児童・生徒の定期的な健康診断などで見かける機会もありますが、学校薬剤師は学校でどのような業務を行っているのでしょうか。まずは、学校薬剤師の主な仕事内容を紹介します。

学校薬剤師の主な仕事は、教室内や学校内における環境衛生検査です。各学校は、学校保健安全法第5条に基づき、一年間の衛生活動計画である「学校保健計画」を保健主事教諭を中心に作成しています。

この学校保健計画に従って、次の衛生環境の検査や教育を行うことが、学校薬剤師の職務です。

①環境検査・衛生検査
主な検査 検査の概要
プール水や水道水・飲料水の水質検査
  • 水泳プールの水の水質や、残留塩素の濃度が適正範囲にあるか確認する
  • 大腸菌などの細菌検査を行い、汚染がないか確認する
  • 消毒を行う設備に衛生上の問題がないか確認する
教室内の照度検査 照度計で教室内の照度(照明の明るさ)を計測し、照明環境が基準値の範囲内であることを確認する
教室内の空気検査
  • 教室内の温度・湿度・二酸化炭素濃度などの値を測定する
  • トルエンやホルムアルデヒドといった有害物質が、含まれていないか調査する
教室内の騒音検査 教室内で教室外から聞こえてくる音が騒音レベルの大きさではないか、騒音計で騒音環境を確認する
②給食や薬品の検査・管理
主な検査 検査の概要
給食施設の検査
  • 給食施設(給食室・給食センター・食堂など)の調理器具や食材の保管場所、食器など、給食環境の衛生状態をチェックする
  • 給食施設の水道水に異常がないか確認する
保健室や理科室の薬品に関わる検査・管理
  • 保健室にある消毒薬などの薬品類や理科室の実験用薬品・劇物について管理状況を確認し、適切な薬品管理ができているか安全管理を行う
  • 不要な薬品があれば、管理者(担当者)に処分する方法を助言・指導する
③薬に関する授業
授業の対象 授業の概要
児童・生徒
  • 熱中症や、インフルエンザといった感染症などの身近な病気・症状についての保健指導
  • 危険ドラッグやシンナーなどの薬物乱用や、たばこ・アルコールの過剰摂取が体に及ぼす影響に関する啓発活動
  • 上記のような保健教育や薬教育を、専門家として対象児童・生徒の学年に合わせて行う
教職員 生徒がアナフィラキシーショックを起こした際に、エピペンを使用する方法などの講習を行う

環境衛生や給食・薬品の定期検査は検査項目に従い、報告書に結果をまとめて学校に報告します。また、必要に応じて学校に改善のための指導助言を行うことも、学校薬剤師の業務内容の1つです。

このように、学校薬剤師の仕事は多岐に渡ります。病院や調剤薬局のような調剤・投薬は行いませんが、児童・生徒の健康を支える「縁の下の力持ち」のような存在といえるでしょう。

2.学校薬剤師の報酬相場

学校薬剤師の報酬は地域によって異なりますが、年収10万~20万円程度のところがほとんどです。
多くの場合、学校薬剤師は年に数回、多くとも月に1回ペースでの勤務であり、報酬は高いとはいえません。そのため、一般的に学校薬剤師としての仕事は、本業ではなく副業として行うこととなります。

学校薬剤師の収入はそれほど高くありません。しかし、実働時間は長くないため、効率的に副収入を得ることができます。

学校薬剤師として得た収入の金額によっては、自分で確定申告をする必要があります。
調剤薬局などで会社員として働くことを本業としている方の場合、本業での給与収入の他に学校薬剤師としての収入(雑所得)を得ることとなるため、学校薬剤師としての収入である雑所得が一年間に20万円を超える場合は、必ず確定申告を行いましょう。

3.学校薬剤師に求められるスキルは?

薬剤師の国家試験に合格していれば、誰でも学校薬剤師の求人に応募することができます。

しかし、学校薬剤師になるためには、学校教育に対する理解や、児童・生徒・先生への教育スキル、学校の保健安全を良好に保つためのマネジメントスキルも必要です。

これらのスキルは、一朝一夕で身に付けることはできません。薬剤師としての必須スキルだけでなく、一般的な社会人としてのスキルも養わなければ務まらないため、薬剤師の免許を取得した直後に、新卒で学校薬剤師になることは難しいでしょう。

学校薬剤師に興味がある方は、無理に近道をしようとせず、まずは薬剤師としてのキャリア・経験を積み上げていくことをおすすめします。医薬品に関する知識はもちろん、病気やケガ、公衆衛生などの知識を身に付けると同時に、教育やマネジメントのスキルアップを図りましょう。

4.学校薬剤師になるための方法

学校薬剤師の求人は、広く出回っているわけではありません。欠員状態も分かりにくいため、学校薬剤師として働きたい場合は、学校薬剤師になるためのツテを作ることが重要です。

また、ツテを作る以外にも、以下の3つの方法があります。

〇地域への貢献度が高い薬局を選んで勤務する
学校薬剤師の求人の多くは、薬剤師のコミュニティ内で出回ります。
地域への貢献度が高い薬局では、地域にある学校での薬剤師求人情報をいち早く入手することができます。また、すでに学校薬剤師の仕事を兼任している薬剤師が在籍している薬局は、学校薬剤師の仕事への理解が深いと考えられるため、学校薬剤師の求人を出していることも珍しくありません。

〇薬局の経営者になる
地域貢献度が高い職場では、学校薬剤師の副業を認めているところもありますが、中には従業員が副業を持つことを嫌がる経営者もいます。
しかし、自分が個人薬局の経営者になれば、自由に副業を持つことが可能です。地域の薬剤師会との繋がりを大切にすることで、学校薬剤師の求人情報も得やすくなるでしょう。

〇学校薬剤師が足りていない学校を探す
学校薬剤師が足りていない学校を探すことは、最もシンプルな学校薬剤師求人の探し方です。「日本薬剤師会」「都道府県薬剤師会」「地区薬剤師会」のいずれかに所属し、それぞれの薬剤師会で学校薬剤師の求人が出るのを待ちましょう。
私立学校の場合、各学校法人が求人を出すこともあるため、地域の学校のホームページなどを定期的にチェックすることもおすすめです。

上記のように、学校薬剤師への道はいくつかあります。しかし、地域貢献度の高い薬局や学校薬剤師の仕事への理解が深い職場や、薬局経営者となる方法を個人で探すことは難しいものです。

学校薬剤師になるための道を自分で見つけられない場合は、薬剤師専門の就職・転職エージェントの活用がおすすめです。薬剤師専門のエージェントを活用することで、早期に学校薬剤として活躍することができるでしょう。

まとめ

学校薬剤師の仕事は、学校の環境衛生や給食・薬品などの検査・管理、薬に関する授業などが挙げられます。

学校薬剤師の年収は10~20万円程度です。そのため、薬剤師としてある程度のキャリアを積んだ後に、チャレンジすることをおすすめします。

学校薬剤師になるためには、薬剤師会との繋がりを大切にすることが重要です。薬剤師専門の就職・転職サイトを上手に活用し、地域貢献度の高い薬局や、学校薬剤師の仕事に理解がある職場で働きましょう。

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