薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2022/01/28

一人薬剤師とは?魅力や大変な一面・向いている人の特徴

薬剤師は基本的に、調剤薬局などで複数の薬剤師とともに働きます。しかし、小規模の薬局やドラッグストアでは、薬剤師業務を1人でこなさなければならないことも珍しくありません。このように、1人ですべての業務を担う薬剤師のことを、「一人薬剤師」といいます。

一人薬剤師として働くことには、メリットや魅力がいくつかあります。その一方で、デメリットや大変な部分も数々存在するため、一人薬剤師として働く前に自分は向いているかどうかを理解しておかなければなりません。

そこで今回は、一人薬剤師の概要や働くメリット・デメリット、向いている人・向いていない人の特徴を徹底的に解説します。一人薬剤師に興味のある人や働き方について知識を得たいという人は、ぜひ参考にしてください。

1.調剤薬局の一人薬剤師とは?

一人薬剤師とは、通常であれば複数の薬剤師が分担している業務を、すべて1人で担っている薬剤師のことです。主な勤務先は調剤薬局で、その他にもドラッグストアや小規模病院・クリニックなどが挙げられます。

また、医薬品・薬剤の取り扱いがある調剤薬局では「管理薬剤師」を1人は配置しなければならないと医薬品医療機器等法で定められています。そのため、一人薬剤師として調剤薬局で働くためには、管理薬剤師資格も取得しておかなければなりません。

一人薬剤師の主な仕事内容は、下記の通りです。

  • 調剤
  • 監査
  • 服薬指導
  • 薬歴記入
  • 調剤事務

一人薬剤師は日々、処方箋をもとに、医薬品の種類や分量にミスがないかを確認したうえで調剤したり、患者さんに対して服役指導を行ったりします。服役指導の際は、患者さんの悩みを聞き出し、よりよい生活を送るためのアドバイスも必要です。これらの業務を行ったあとは、処方箋の状況や患者さんから得たあらゆる情報を薬歴に記入しなければなりません。

上記はあくまでも調剤薬局で働く一人薬剤師の主な業務内容であり、ドラッグストアや小規模病院・クリニックの場合はその他の業務もこなす必要が出てきます。

このように薬剤師は比較的業務量の多い働き方となるため、「法的に問題はないかどうか」が気になる人も多いでしょう。実際に、勤務時間内に業務を終えることができない・60分の休憩をとることができないような働き方で一人薬剤師の体制をとっている薬局・企業の場合は違法です。しかし、一人薬剤師体制で営業すること自体は法的に問題はありません。

2.一人薬剤師として働くメリットや魅力は4つ

前述の通り、一人薬剤師は1人でさまざまな仕事をこなす分、給与設定の水準が高く、薬剤師としてのスキルアップも大いに期待できます。また複数の薬剤師と連携して業務をこなすことがないため、職場の人間関係で悩むことも少ないでしょう。

このように、一人薬剤師で働くことにはさまざまなメリット・魅力があります。ここからは、一人薬剤師として働く4つのメリット・魅力をそれぞれ詳しく紹介します。

2-1.高い年収を得られる可能性がある

一人薬剤師として働く最大のメリットが、「高い年収が期待できる」ということです。

一般的な薬剤師(※) 約565万円
一人薬剤師 約500万~600万円

※出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

厚生労働省が発表した2020年度における一般的な薬剤師の平均年収は、約565万円でした。一方で、求人サイトや口コミから算出した一人薬剤師の目安年収は、約500万~600万円です。

同じ職場で長く働き続ける一人薬剤師の場合、600万円を超えるケースも珍しくありません。このように一人薬剤師は、1人で多くの業務をこなすという努力の結果が給料としてあらわれやすい職種と言えるでしょう。

2-2.人間関係に悩まず自分のペースで働ける

一人薬剤師は、通常の薬剤師のように他の薬剤師と連携・分担しながら仕事をすすめることはありません。そのため、職場での人間関係に悩まず、自分のペースで働くことが可能です。

薬剤師の転職理由には、「人間関係の悩み」も少なくありません。特に人に気を遣ったり、これまで上下関係や同期との人間関係に悩んだことがあるという薬剤師にとって、一人薬剤師は非常に大きな魅力を感じられる働き方となるでしょう。

2-3.患者さん一人ひとりとじっくり関われる

一人薬剤師の場合、薬局やドラッグストアに訪れるすべての患者さんを対応することとなります。そのため、通常の薬剤師と比べて患者さんとの関わりがより密になりやすく、「頼りにされやすい薬剤師」となることが可能です。

また、多くの患者さんと近い距離でコミュニケーションをとることから、コミュニケーション能力が身につきやすい点も魅力と言えるでしょう。

2-4.さまざまなスキルアップが図れる

通常の薬剤師の場合、主な業務を分担して日々の仕事を進めることとなります。多くの薬剤師が在籍する職場では、患者対応をまったく行わないなど、特定業務に触れる機会がないことも珍しくありません。このような場合、特定業務に関するスキルアップが期待できず、数年の薬剤師経験があったとしても次の転職先でつまづいてしまう可能性があるでしょう。

しかし、一人薬剤師は薬剤師として行うべきすべての業務に日々触れることとなります。そのため、あらゆる業務におけるスキルアップを図ることが可能です。自分が経験した働き方は転職活動においても有利となり、今後のキャリアアップにもつながるでしょう。

3.一人薬剤師として働くデメリットや大変な点は3つ

一人薬剤師は給与面で恵まれており、マイペースに働くことができる一方で、1人ですべての業務をこなす必要があるため大変な一面もあります。

働くメリットや魅力だけを見て就職すると、後悔につながるおそれもあるため、事前に大変な点を把握しておきましょう。ここからは、一人薬剤師として働くデメリットや大変な点を3つ紹介します。

3-1.業務量が多くプレッシャーを感じることもある

一人薬剤師として働く場合、薬剤師として行うすべての業務を1人でこなさなければならないため、店舗が混み合っている忙しいときに、他の薬剤師やスタッフにサポートしてもらうことはできません。

どれほど経験を積んだベテランの一人薬剤師でも、混み合う店舗の中、常にサクサクと患者対応ができるわけではありません。患者さんを待たせてしまうことにプレッシャーを感じるなど、精神的な負担を感じてしまう人も多いでしょう。肉体的な疲労と精神的な負担と上手に付き合っていく必要があります。

3-2.調剤過誤のリスクや責任感が大きくなる

一人薬剤師は、患者さんに対して調剤から投薬までの工程を1人で行わなければなりません。先輩薬剤師や上司からのダブルチェックは当然ないため、必然的に調剤過誤のリスクや責任感が大きくなります。

薬剤師の仕事は、小さなミスでも患者さんの命にかかわる可能性のある仕事です。ダブルチェックはされないことを肝に銘じ、責任感をもった上で、万が一のミスを防げるよう自分で確認を重ねる必要があります。

3-3.休憩や有給を自由に取ることが難しい

一人薬剤師は、休憩や有給休暇を自由に取得することが困難な点も大きなデメリットです。一人薬剤師の薬局であっても、パートの薬剤師や事務員が配置している職場も珍しくありませんが、これらの人員は一人薬剤師が行えるすべての業務を担えるわけではありません。

「一人薬剤師である自分がいなければ、調剤業務はおろか、患者対応もできない」というケースでは、急なお休みも困難となる可能性があります。職場によっては近隣店舗からヘルプ要員を補充することもありますが、それでも多くの薬剤師が在籍する職場に比べて休憩や有給を取りづらいことに注意してください。

4.一人薬剤師に向いている人・向いていない人の特徴

ここまで、一人薬剤師の概要や働くメリット・デメリットを紹介しました。最後に、これらの情報を踏まえて、一人薬剤師に向いている人と向いていない人のそれぞれの特徴を紹介します。

<一人薬剤師に向いている人>

  • 過去に職場の人間関係で悩んだことのある人
  • 薬剤師として必要なすべてのスキルを向上させたい人
  • 多少忙しくても納得のいく高い収入を得たい人
  • すべての患者さんと密にかかわりたい人

一人薬剤師は、1人で働きたい人・スキルアップを目指す人に向いている職種です。しかし、プレッシャーや責任も大きくかかる働き方をするだけでなく、調剤ミスの許されない環境で働くこととなります。一人薬剤師として働く際の心構えは、「自分でダブルチェックをすること」です。自分でチェック項目をあらかじめ定めておき、毎回の調剤でチェック項目を何重にも確認することで、調剤ミスのリスクを最大限抑えられるでしょう。

<一人薬剤師に向いていない人>

  • すべての責任を負うことに大きなプレッシャーを感じる人
  • ともに働く薬剤師がいる方が楽だと感じる人
  • 困りごとがあったときにすぐ相談できる上司や先輩薬剤師が必要な人

一人薬剤師体制で運営している調剤薬局では、人手が増やされることはほとんどないと考えてよいでしょう。そのため、すべての責任を負うことに強いプレッシャーを感じ、精神的な疲労を抱えてしまうような人には不向きと言えます。一人薬剤師としてすでに働き始めているものの、「自分には向いていないかも」と考えている人は、転職を検討するとよいでしょう。

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まとめ

一人薬剤師とは、通常であれば複数の薬剤師が分担している業務(調剤・監査・服薬指導・薬歴記入など)を、すべて1人で担う薬剤師のことです。

高い年収を得られる・人間関係に悩まない・患者さんと密にかかわれる・スキルアップが期待できるなど働くメリットは多々ある一方で、責任感が大きくプレッシャーを感じやすい・休憩や有給を取りづらいなどのデメリットもあるため、「自分に本当に適した働き方なのかどうか」をよく考えた上で転職を検討しましょう。

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