薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2021/02/22

薬剤師に求められる役割とスキル|勤務場所別の業務内容も解説

薬のスペシャリストとして医療や健康・衛生管理の一端を担う薬剤師は、これからの超高齢化社会において大きな期待を寄せられる存在のひとつです。

現在国内では医療のICT化や地域包括ケアシステムの構築、健康寿命を伸ばすための取り組みなどが進められています。このような変化にともなって薬剤師の役割も変わっていき、新しい形で活躍するチャンスが増えるでしょう。

この記事では、勤務場所ごとで求められる薬剤師の役割と、求められるスキルなどについて解説します。

1.薬剤師とは?求められるスキルも解説

薬剤師は、薬の専門家として医療に携わる仕事のひとつです。ただ薬を調剤・供給し患者さんに渡すだけではなく、患者さん一人ひとりにアドバイスし医師と患者さんの橋渡し役となって多くの人の健康を支えます。
また、新薬の製造開発や違法薬物の取り締まりなどに関わる薬剤師も少なくありません。

薬剤師に求められる主なスキルは、下記の通りです。

◯コミュニケーションスキル

薬を必要とする患者さんは、けがや病気のために不安を抱えていることが少なくありません。薬剤師として患者さんと細やかにコミュニケーションを取ることで、患者さんの不安をやわらげることができます。
対話を通して患者さんの体質やライフスタイルを把握し、一人ひとりに合った服薬指導を行うことは、薬の効果を高め副作用のリスクを抑えるために重要です。

◯薬に関する豊富な知識

使い方によっては命に関わる薬を正しく扱うためには、薬に関する深い知識が欠かせません。専門知識とコミュニケーションスキルを伸ばすことで、患者さんへのわかりやすい説明が可能となります。
現在の医療技術は日進月歩であり、新しい医学的発見や新薬の登場によってそれまでの常識が覆ることもしばしばです。そのため、薬剤師には医療技術や製薬に関する最新情報に対する敏感さが求められます

◯危険を察知する能力

安全と言われる薬でも、副作用が生じる確率はゼロではありません。特に、患者さんが高齢者・小児・妊婦などの場合は細心の注意が必要です。患者さんの様子を細かくチェックし、薬の使用にともなうリスクをできる限り避けることも、薬剤師に必要なスキルと言えます。

2.【勤務場所別】薬剤師が求められる役割と主な業務内容

薬剤師の主な勤務場所は、「病院」「薬局」「企業・行政」の3種類です。

ここでは、それぞれの勤務場所における薬剤師の役割と仕事内容について解説します。働き方の違いを知り自分の特技・特性を最大限に活かして働くことで、薬剤師として高く評価されるでしょう。

2-1.【病院】チーム医療における取りまとめ

チーム医療は、複数の医療専門職が連携し患者さん一人ひとりに合わせた医療ケアを提供する医療スタイルです。
医師・看護師・薬剤師などがさまざまな観点から患者さんの状況をチェックし情報共有することで、本人の意思を尊重した医療ケアの実現や医療ミス防止につながります。

医療機関で働く薬剤師の主な仕事は、患者さんのカルテや検査・治療データに基づいた服薬指導です。必要に応じて医師によりよい処方薬を提案したり、服薬指導以外のアドバイス(リハビリ・栄養指導など)を行ったりすることもあります。

病院薬剤師は薬剤のプロとしてチームをまとめるとともに、さまざまな専門家の技術や知識を直に見聞きすることができます。病院によっては、救急医療や緩和ケア、NST(栄養サポートチーム)などに携わることも可能です。

2-2.【薬局】患者さんの状態に応じた改善・対応策の提案

調剤薬局の薬剤師には、地域に密着した「かかりつけ薬局」の役割を担うことや、患者さん一人ひとりの状態に合わせた改善・対応策の提案が求められます。

〇門前薬局

門前薬局(総合病院やクリニックの近くの調剤薬局)における薬剤師の主要業務は、医師の処方箋に沿った医薬品の供給・調剤です。また、服薬指導やジェネリック医薬品(後発医薬品)の提案なども行います。

患者さんによってはすでに他の薬を飲んでいたり、薬アレルギーを持っていたりすることがあります。また、持病や妊娠などによって処方が変わるケースも少なくありません。
患者さんとのやりとりや処方・服用履歴から状況を把握し、副作用などのリスクを最小限に抑えるためには、綿密な服薬指導が重要です。

〇調剤薬局併設型ドラッグストア

調剤薬局併設型ドラッグストアで働く薬剤師の主な仕事は、調剤業務およびOTC医薬品(処方箋なしで買える一般用医薬品)などに関する相談対応業務です。他のスタッフが忙しいときは、薬剤師も接客販売や品出しなどを行います。

〇在宅・施設調剤型薬局

在宅・施設調剤型薬局は、在宅医療の患者さんや介護福祉施設入居者などのための調剤薬局です。薬剤師は患者さんの自宅や入居先を訪問して薬を届けて、服薬管理や生活支援などを行います。

高齢の患者さんは複数の薬を併用することが多く、さらに認知症や嚥下障害を抱えていることもしばしばです。そのため患者さんに合わせた調剤方法の工夫や相互作用の確認、そして訪問看護師や介護士との連携が欠かせません。

2-3.【企業・行政】新薬の開発・違法薬物の取り締まり

薬剤師が企業・行政で活躍する場合は、調剤や服薬指導以外の仕事がメインとなります。

〇製薬会社

製薬会社や化粧品会社などで活躍する薬剤師は、研究・開発職とMR(医療情報担当者)の2種類に大きく分かれます。
研究開発職の主な業務は、新薬の開発に必要な臨床実験や製造に必要な技術研究などです。MRは医療機関や薬局に赴き、自社製品に関する情報提供や医療関係者からのヒアリングなどを行います。

〇行政機関

警察と協力して違法薬物・薬物犯罪を取り締まる麻薬取締官には、薬剤師資格が求められます。また、薬剤師は空港における検疫衛生業務や飲食店・工場の品質・衛生管理などにも携わっています。
これらの業務に就くためには、薬剤師資格に加えて国家公務員資格または地方公務員資格が必要です。

3.薬剤師にかかる期待は大きい

医療技術が発展し、かつ高齢化社会に突入している現代日本において、薬剤師は幅広い分野での活躍が期待されています。

〇地域医療への貢献

厚生労働省が推進するかかりつけ薬剤師・薬局は、地域包括ケアシステムに欠かせない要素のひとつです。医療・介護専門職と連携しカルテ・服薬履歴を一元管理することで、重複投薬や医療費の無駄を防ぎやすくなります。

近年増えている健康サポート薬局は、薬関連だけではなくさまざまな健康相談に対応できる薬局です。健康サポート薬局では健康維持に関するイベント・セミナーなどを開催し、薬剤師と地域住民の交流を通して健康づくりに取り組みます。

〇正しい情報の提供

薬や医療の専門知識を持たない人が安易に薬を使うと、思わぬ弊害が生じることがあります。一方、中途半端な情報が原因で薬を怖がりすぎる人も少なくありません。

薬剤師には、薬の専門家として正しい情報の提供を行う責任があります。事務的な説明ではなく丁寧なコミュニケーションを通じて患者さんの疑問や不安を解消することで、患者さんは安心して薬を使い健康を保つことができます。

4.求人は薬剤師専門の求人サイトで探すことがおすすめ!

薬剤師として就職・転職したい場合は、薬剤師専門求人サイトや各種相談会などを活用すると効率よく情報収集できます。ファーネットキャリアでは、薬剤師業界に豊富な知識を持つコーディネーターが、求職者一人ひとりにあった転職先を洗い出して紹介します。

コーディネーターが採用面接に同行し、より好条件での採用を目指して紹介先の担当者と交渉することもファーネットキャリアの特徴です。面接前のアドバイスも提供しているため、転職に不安がある人や緊張しやすい人も安心して面接に臨むことができます。

まとめ

薬剤師となるためには、薬に関する深い知識に加えて高いコミュニケーションスキルと危機察知・回避能力が必要です。これらのスキルを高めることで、患者さんに寄り添った丁寧で正確な服薬指導が可能となります。

薬剤師の勤務先としてもっとも多いものは薬局ですが、医療機関・医薬品関連企業・行政機関などで活躍する薬剤師も少なくありません。新薬開発や地域医療が進むこれからの時代において、薬剤師のあり方はますます多様化していきます。

職場で重宝される薬剤師となるために、勤務場所ごとの特徴を理解して、日々スキルを磨いていきましょう。

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