薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN
2021/09/27
【薬剤師必見】パターン別の転職事情と成功させるためのポイント2選
薬剤師は、医薬品全般や調剤に関する幅広い知識を持つ「薬剤」のスペシャリストです。そのため、薬剤師が活躍できる業種は幅広く、業務内容も多岐にわたります。しかし、現状に満足できていない、違う条件で働きたいなどのさまざまな理由で転職を考える薬剤師も多く見られます。
そこで今回は、薬剤師の転職事情と、転職を成功させるための重要なポイントについて解説します。転職を考えている薬剤師は、ぜひ参考にしてください。
1.薬剤師の有効求人倍率は?
薬剤師の有効求人倍率は年々減少傾向にありますが、令和3年4月段階で有効求人倍率は2.49倍(パートは含まない)となっており、依然として高い状態にあります。有効求人倍率とは、厚生労働省が毎月発表している「求職者1人につき、何件求人があるか」を表している数値です。つまり、求職している薬剤師1人に対して2件以上の求人があることがわかります。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年4月分)について」
また、職種全体の有効求人倍率が1.09倍であることから、薬剤師は他職種に比べて転職に有利な環境にあるといえます。薬剤師の市場価値は高く、今よりも条件のよい転職先を見つけることは決して難しくない状況です。
薬剤師は求められている業種が幅広いものの、業種によって薬剤師の求人数は大きく異なります。そのため、転職を考える際は自分の希望と業務内容をしっかりと吟味した上で、求人を探すことが大切です。
2.薬剤師によくある転職理由3選
薬剤師の転職率は、他職種と比較しても高いことが現状です。では、どのような理由から薬剤師は転職を検討するのでしょうか。
薬剤師によくある転職理由は、以下の3つです。
〇給与を上げたい
現在の給与に不満があり、今より給与がよい職場へ転職を考える薬剤師は少なくありません。仕事の内容・量と給与が合わないこと、昇給の機会が少ないことが転職を考えるきかっけとなるケースが多い傾向です。
〇スキルアップを実現させたい
薬剤師は、業種や職場によって取り扱う医薬品が偏るため、今より専門性の高い知識や調剤スキルが欲しい人は、スキルアップを求めて転職を考える傾向があります。研修制度が充実している職場への転職や、業務内容やポジションを変えることでスキルアップ・キャリアアップの実現を目指す薬剤師は少なくありません。
〇働きやすい環境に移りたい
薬剤師は、業種や職場によって労働環境に差が出やすい職種です。労働条件や人間関係を転職理由に、今よりも働きやすい環境に移りたいと考える薬剤師は多く見られます。
3.【パターン別】薬剤師の転職事情を紹介
薬剤師の転職事情は、求職者の年齢や経験などにより大きく異なり、就職しやすい場所は薬剤師によって変わります。
ここでは、薬剤師の転職事情を求職者のパターン別に紹介します。転職を有利に進めたい人や自分に合った転職先の探し方を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
3-1.【未経験者の場合】転職できる場所は限られる
薬剤師の求人には「未経験歓迎」とするものもありますが、業種は限られています。
未経験者を歓迎している職場は、ドラッグストアや調剤薬局などの大手企業がほとんどです。理由は、研修制度が整っており中途採用者に対しても丁寧に指導できることが挙げられます。また、慢性期病院は業務がルーティン化されているため、未経験者でも比較的就職しやすくなっています。
一方で、転職が難しい職場は大学病院や急性期病院、製薬会社です。大学病院や急性期病院は業務が多岐にわたるため、十分な研修を受けられないことが理由の一つに挙げられます。
また、中途採用者には即戦力が求められるため、未経験で転職できたとしても大変な仕事を覚悟しなければなりません。なお、製薬会社などの一般企業では、新卒者以外は実務経験者を必要としているため、未経験者を歓迎する求人はほとんど出ません。
3-2.【4~5年の経験がある場合】幅広い求人から選択できる
薬剤師として4~5年の経験がある人は、調剤業務をある程度経験しているためアピールできる実績が多くなります。採用担当者は、4~5年の経験がある人を薬剤師としての基礎的な調剤スキルが身についている人と判断します。そのため、人材不足に悩まされている調剤薬局や病院には、即戦力として優先的に採用されるケースも珍しくありません。
また、未経験者よりも経験者を募集する求人のほうが多く、転職活動を有利に進めることが可能です。
ただし、年齢が30代あるいはそれ以上の薬剤師の場合は、薬剤に関する知識や調剤経験だけではなく、指導能力を求められることが多くなります。さらに、管理者や責任者を任されることも多くなるため、管理能力やマネージメント能力を求められることも増えます。
管理職経験などがあると転職に有利となるため、転職を考える際は自分がどの程度の能力を提供できるかを考えることが重要です。
3-3.【収入を増やしたい場合】地方のほうが給与は高い傾向にある
収入を重視して転職する場合は、都市部よりも地方の調剤薬局などに転職することで、年収アップが狙えます。都市部と地方における薬剤師の年収の一例は、下記のとおりです。
東京都 約507万円
(月給:約34万円 賞与:約89万円)大阪府 約520万円
(月給:約36万円 賞与:79万円)山形県 約579万円
(月給:約39万円 賞与:101万円)山口県 約779万円
(月給:約44万円 賞与:251万円)
地方は都市部と比較して薬剤師が不足している地域が多く、人材を確保するために都市部と給与・待遇の差別化を図っている職場が多数見られます。ドラッグストアや調剤薬局では、基本給が都市部と同じでも、地方特有の手当を付けることが多く、地方勤務の薬剤師のほうが平均収入が高くなります。
また、人材が集まりにくい寒冷地や農村部、離島では薬剤師は希少な存在であるため、勤務地によっては年収1,000万円以上の高収入を得ることも可能です。
4.薬剤師の転職を成功させるための2つのポイント
薬剤師は働く業種の幅も広いため準備不足の状態で転職すると、理想と現実のギャップが生じ、結果的に転職に失敗することがあります。
薬剤師が転職を成功させるためには、ただ漠然と転職活動をするのではなく、ポイントを押さえることが必須です。理想の転職先を見つけるためにも、以下の2点に注意しましょう。
○転職する理由を明確にする
まずは、転職理由を明確にしましょう。なぜ転職をしたいと考えるようになったのかをはっきりさせることで、転職先の条件を明確化できます。転職理由が曖昧なまま転職すると、以前と同じような環境や待遇で「何も変わらなかった」という事態に陥る可能性があります。
○転職エージェントに登録する
薬剤師が転職を成功させるためには、薬剤師の業界について詳しい情報を持つ転職エージェントに登録することがおすすめです。
薬剤師は多様な働き方ができる職種であることから、選択肢が多い分、情報収集が大変になります。しかし、転職エージェントに登録し、相談することで、転職先に求める条件や今までのスキルが活かせる職場を提案してもらうことができます。そのため、自分で転職活動をするよりも、より理想に近い転職先を見つけることが可能です。
まとめ
薬剤師の主な転職理由は「給与を上げたい」「スキルアップを実現したい」「働きやすい環境に移りたい」の3つが挙げられます。薬剤師の転職事情は、経験や年齢で大きく異なることが特徴です。未経験者は転職できる場所が限られる一方で、4~5年の経験がある場合や30代以上の薬剤師は、応募できる求人数が増えます。
収入を増やすことが転職理由の場合は、地方への転職がおすすめです。地方では人材を確保するために、給与を高く設定している傾向にあります。
薬剤師が理想の職場に転職するためには、転職理由を明確にし、薬剤師の就職に特化した転職エージェントに登録することがポイントです。転職活動に不安がある人は、豊富な情報とコーディネーターによる転職サポートを提供している「ファーネットキャリア」にご相談ください。
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