薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN
2020/08/25
薬剤師の仕事内容とは?施設別の業務や年収・やりがいを説明
国家資格を持つ薬剤師は、高年収が期待できる仕事のひとつです。
活躍できる場も多く、結婚や配偶者の転勤、子供の成長などライフステージの変化に合わせて働き方を変えやすいというメリットもあります。
薬剤師と一口に言っても、勤務先によって仕事内容は異なります。場合によっては、専門知識と同等に接客スキルを求められることもあり、やりがいのある職業です。
今回は職場別・施設別の男女比など職場環境の特徴とともに、主な仕事内容について紹介します。
1.【職場別】薬剤師の仕事内容
薬剤師に求められる基本的な仕事は、国家資格を有する者にのみ許可されている業務や、専門知識を有する作業です。しかし、勤務する職場や立場によっては、専門性以外の能力が多く求められるケースもあります。
具体的にどのような違いがあるのか、この項目では7つの勤務先に分けてそれぞれの職場での仕事内容をご紹介します。
1-1.調剤薬局
調剤薬局では、調剤業務が最も基本的な業務です。
医師の処方箋に基づいて患者ごとの薬を調剤する仕事で、飲み方・使用方法や注意点などを説明する服薬指導もあわせて行います。
基本的に医師の処方箋に従いつつも、他の薬との組み合わせなど気になる点があれば医師へ問い合わせることもあります。
「疑義照会」と呼び、正確な情報を把握するために過去の服薬記録を確認する薬歴管理とともに、副作用や併用によるトラブルを防ぐ重要な仕事です。
1-2.病院やクリニックなどの医療施設
院内処方の場合は外来患者のための調剤を行い、有床施設の場合は入院患者のための調剤や薬剤管理を行います。
服薬指導や院内で使用する注射薬の調整なども、薬剤師が担当します。
医師に対して医薬品の情報提供を行うこともあれば、施設によっては在宅医療(居宅療養管理指導)を行うこともあります。
病院も規模や診療科の違いがあり、救急救命センターの有無の差でも仕事内容が異なります。
専門性が高い診療科では、認定・専門薬剤師としてチーム医療の一端を担っている薬剤師も珍しくありません。
1-3.製薬企業・医薬品メーカー
製薬企業など、患者とは直接関わる機会の少ない職場も選択肢のひとつです。
患者と関わらない職場であっても、MR(医薬情報担当者)として働く場合は病院関係者が主な顧客となります。
病院や薬局などを訪問して新薬の売り込みや、注射や点滴など多種多様な医療用医薬品について情報提供を行うことが基本的な仕事内容です。
また、臨床開発部門に配属された場合は、新薬の効き目や安全性の確認業務を任せられ、新薬開発に関わることもできます。
1-4.保健所をはじめとする行政機関
民間企業や病院の他に、保健所などの行政機関で働く薬剤師も数多く存在します。
たとえば自衛隊薬務官や麻薬取締官、保健所薬剤師や学校薬剤師です。
仕事内容は他の職場と大きく異なり、医薬品販売店舗の監査・指導・許可・各種検査などが挙げられます。
地域で公衆衛生に関する「啓もう活動」を行うことも、保健所をはじめとする行政機関で働く薬剤師の仕事のひとつです。
1-5.ドラッグストア
ドラッグストアでは医師の処方箋がなくとも購入できる一般用医薬品が多く取り揃えられています。
ドラッグストアで働く薬剤師は、これら「OTC医薬品」と呼ばれる薬の管理や販売が主な仕事内容です。
顧客が薬選びで困っているときは、専門知識を活かして健康アドバイス・相談対応も行います。
他にもスタッフが少ないところや店舗面積が広大なところでは、レジ打ちや品出しなど店舗運営業務も担当しなければなりません。
1-6.小学校・中学校・高等学校
小学校・中学校・高等学校は、法律によって薬剤師を置くことが義務付けられています。
高等専門学校や特別支援学校、幼稚園も同様です。(※大学は除く)
「学校薬剤師」と呼ばれる薬剤師の主な仕事内容は、校内の環境衛生の保持・管理です。プール開きの時期は、水質検査も担当します。
児童・生徒の健康相談と保健指導も行うものの、毎日のように仕事があるとは限りません。
そのため、普段は別の職場で働いている薬剤師が兼務するケースが一般的です。
1-7.介護老人保健施設
医療ケアやリハビリによる在宅復帰を目指すための場所が、介護老人保健施設です。
介護老人保健施設に薬剤師が勤務する場合は、患者に合った調剤や薬の管理を行います。
発注業務も含まれるため、基本的な仕事内容は調剤薬局と大差ないでしょう。
唯一異なる点は、毎日同じ患者を担当することです。
一定期間、同じ患者を担当するため人間関係が安定しやすい職場とも言えます。
また、薬剤師の数が少ないことから、一般的な調剤薬局や病院では体験できない経験を積むチャンスが豊富です。
2.薬剤師の年収・男女比・施設別の就職先
厚生労働省の資料によると、薬剤師の年収は以下のとおり、男性の方が若干高い傾向にあります。
性別 年収 男性 約600万円 女性 約535万円
全職種の平均年収は近年300万円台を推移していることから考えると、男女の差がありつつも薬剤師は高収入の仕事に分類されると言えます。
また、30代から50代にかけては年収に差があるものの、60代前後には差がごくわずかです。
比率は女性の方が多く、需要が高いため、ライフステージの変化に伴う多様な働き方を実現しやすい環境が整っています。
また、施設別で実際に働いている薬剤師を調査した結果は、以下のとおりでした。
施設別 人数 割合 薬局 180,415人 58.0% 医療施設 59,956人 19.3% 病院 54,150人 17.4% 診療所 5,806人 1.9% 介護保険施設 832人 0.3% 大学 5,263人 1.7% 医薬品関係企業 41,303人 13.3% 衛生行政機関・保健衛生施設 6,661人 2.1% その他 16,856人
(男性120545人
女性190744人)5.4%
(男性38.7%
女性61.3%)
半数以上が薬局に勤務していますが、医薬品関係企業に在籍する薬剤師も少なくありません。また、上記のとおり介護保険施設が非常に少ない点が目立ちます。
しかし近年は、超高齢化社会と呼ばれるほど介護業界の人員不足がささやかれています。
そのため、薬剤師においても今後、介護保険施設の需要が増加する可能性は充分にあるでしょう。
3.仕事内容から見る薬剤師として働くメリット
国家資格を取得して薬剤師として働くメリットには、以下の3つが挙げられます。
〇自分に合った働き方を選びやすい
前述したとおり、薬剤師は調剤薬局や病院以外にも活躍の場があります。
中には、パートタイマーや月に数回のアルバイト勤務など短時間のみで募集される職場も含まれるため、ライフステージの変化に影響されずに仕事を続けることが可能です。
〇転職や復職しやすい
需要が高い薬剤師は、転職や復職で新たな勤務先が見つかりやすいメリットも持っています。
総合病院から少人数の調剤薬局まで幅広い需要があり、国家資格のためブランクがある方も復職しやすく、高水準の収入を得られます。
〇医療に貢献できる
新薬の研究開発や医師への薬に関するアドバイスの提供など、さまざまな場面で医療に貢献できる仕事です。
ドラッグストアのように接客を主とする仕事も、顧客から薬選びに関するアドバイスを求められる場合は多く、医療機関勤務でなくとも自分自身の社会貢献を実感できるでしょう。
調剤に関わるときは、患者を不用意なトラブルから守る最後の砦としての役割も担っています。
こまやかで正確な仕事を求められるため楽ではない反面、非常にやりがいのある仕事です。
4.薬剤師は自分に合う仕事内容で転職できる資格
さまざまな勤務形態や仕事内容で求人のある薬剤師は、多様な働き方を選ぶことができます。
基本的に薬剤師の国家資格と経験があれば、前職と異なる業種でも転職しやすいでしょう。
薬剤師の転職を成功させるためには、薬剤師の専門求人サイト「ファーネットキャリア」の利用がおすすめです。
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まとめ
国家試験に合格しなければ取得できない薬剤師は需要の高い資格のため、高年収や豊富な働き方が特徴的です。
厚生労働省が発表した職場別や施設別のデータを見ても、病院や調剤薬局以外の職場で活躍している方が少なくありません。
男女比は女性の方が多い傾向にありますが、男性の平均給料が高いため、男性にとってもメリットがある仕事です。
数多くの選択肢の中から自分に合った求人を効率良く見つけたい方は、ファーネットキャリアを活用してはいかがでしょうか。
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