薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2021/12/14

男性薬剤師が感じる職場の苦労とは|男性が活躍するためのポイントも

薬剤師が働く職場は、女性が多いことが特徴です。男性薬剤師の中には、男性が少ない薬剤師の世界で働くことに苦労やストレスを感じる人もいます。

女性中心となることが多い薬剤師の世界で男性が活躍するには、苦労しやすい点やトラブルを避けるための注意点を理解しておくことが大切です。

当記事では、「男性薬剤師の給料相場」「苦労しやすい点」について解説します。男性薬剤師が知っておきたいトラブル回避のポイントと、職場で活躍するポイントにも触れるため、ぜひ参考にしてください。

1.男性薬剤師の給料

男性薬剤師の給料相場は、下記の通りです。

  男女計 男性 女性
薬剤師の給料相場 約565万円 約624万円 約527万円

出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

ただし、スキルや資格、勤務年数などによっては、実際の給料額が相場を下回ることもあります。

薬剤師の給料相場は、女性より男性のほうが高いことが特徴です。男性薬剤師の平均年収が最も高い年代は50~59歳で、50代以降は徐々に年収が下がる傾向にあります。

2.男性が少ない薬剤師の世界の特徴・苦労しやすい点

薬剤師の男女比率は、3:7で女性の割合が多いことが特徴です。

出典:厚生労働省「年齢階級・性別にみた薬剤師数」

女性が中心の職場では、男性薬剤師ならではの悩みが多く見られます。男性が少ない薬剤師の世界の特徴と苦労しやすい点は、下記の通りです。

●人間関係で悩みやすい

女性が多い職場では、円滑なコミュニケーションが図れず人間関係がうまくいかないことがあります。女性たちと距離があったり他の人とは異なる接し方をされたりするなど、仕事がやりにくいと感じる男性薬剤師も少なくありません。人間関係がうまくいかず仕事の連携が取れないと、業務効率が落ちるだけではなく精神的な負担が大きくなります。

●産休や育休の影響を受けやすい

女性薬剤師が産休や育休を取得したり時短勤務を選択したりすると、他のスタッフが穴埋めとして業務を行わなければなりません。男性にも産休や育休取得の権利が認められている場合でも、制度を利用する人は女性に多いことが現状です。女性が多い職場ほど産休や育休の影響を受けやすいため、男性薬剤師に負担の大きな仕事が集中したり残業が増えたりすることはめずらしくありません。

●共通の会話を見つけにくい

男性薬剤師が抱える苦労の1つが「女性たちの輪に入れない」「共通の話題が見つからない」ことです。恋愛・ドラマ・子育てなど、自分に知識や興味がない話題で盛り上がっている場合、うまく輪に入って会話することはハードルが高いと言えます。また、不用意な発言はセクハラと捉えられる可能性もあるため、話題や言葉選びが難しい場合もあるでしょう。

3.男性薬剤師が女性の多い職場でトラブルを避けるために注意すべき3つのポイント

薬剤師の職場は、女性が多い場合がほとんどです。男性が少数派の職場でトラブルを避けるためには、いくつかポイントをおさえておく必要があります。

男性薬剤師が女性の多い職場でトラブルを避けるために注意すべきポイントは、「清潔感」「一定の距離感」「平等感」の3つです。

ここでは、それぞれのポイントで意識すべきことと、その重要性について解説します。

3-1.清潔感を大切にする

女性が多い職場で働く場合、清潔感が必須です。多くの女性は、身近な人だけではなく職場の男性にも清潔感を求めます。清潔感を保つために、次の4つを意識しましょう。

  • ・髪の毛やひげを整える
  • ・清潔な衣類を身に付ける
  • ・髪や肩にフケが付いていないか確認する
  • ・体臭や口臭をケアする

清潔感を保つには、身だしなみを整えてから出勤する習慣が大切です。体臭や口臭は自分では気づかないこともあるため、「服を嗅いでみる」「両手を顔に近づけて息を吐く」などのチェック方法を試してみましょう。

3-2.一定の距離感を維持する

女性の中には、距離が近すぎる男性に対して苦手意識や嫌悪感を抱く人もいます。女性が多い職場では、トラブルを避けるために一定の物理的な距離感を維持することがポイントです。

女性薬剤師と会話をする場合は、パーソナルスペース(他人に踏み込まれて不快に感じる距離感)を意識しましょう。一般的に、女性のパーソナルスペースは約50cmと言われています。

また、特定の人と距離が近すぎたり、反対に距離がありすぎたりすると、周囲に「空気が読めない人」「和を乱す人」という印象を与えるため注意が必要です。たとえ深い意味がない場合でも、距離感が原因で人間関係が悪化することもあります。

3-3.平等に接する

トラブルを避けるためには、職場の人に対して平等に接することがポイントです。妬みや誤解を生まないために、下記の接し方のポイントを心がけましょう。

  • ・特定の人に優しくしない
  • ・特定の人だけ特別扱いしない
  • ・女性薬剤師の呼び方を統一する

職場の人に対して平等に接することは、自分だけではなく相手側の人間関係を良好に保つことにもつながります。不要な憶測や妬みの原因を作らないように、接し方や呼び方に気を付けましょう。距離感と平等感を保つには、女性薬剤師の呼び方を「(名字)さん」で統一することがおすすめです。

4.男性薬剤師が職場で活躍するためのポイント3選

男性薬剤師の給料相場は、スキルやキャリアによって大きく変わります。男性薬剤師がやりがいや充実感を持って働き続けるには、将来のビジョンを明確にすることが重要です。ビジョンの実現に向けてすべきことを考え、少しずつ取り組んでいきましょう。

ここからは、男性薬剤師が職場で活躍するためのポイントを具体的に解説します。

4-1.目指すキャリアプランを考える

必要なスキルや資格を取得するなど、若い頃からキャリアアップに向けた準備を進めておきましょう。将来どのような働き方を望むかイメージすることで、目指すべきキャリアプランが見えてきます。

薬剤師に多く見られるキャリアプランの例としては、下記の3つがあります。

エリートタイプ スキルを身に付けつつ資格を取得して役職を目指す
プロフェッショナルタイプ 病院勤務で特定疾患の知識を身に付けて研究職に就く
安定志向タイプ スキルや広い見識を身に付けて昇進を狙う

キャリアアップに役立つ資格としては、「専門薬剤師」があります。特定疾患にかかわる投薬・治療管理・服薬指導などの知識が必要となる専門薬剤師は、転職や年収アップで有利となる資格です。

4-2.調剤経験を積む

薬剤師として働き続けるには、調剤経験が必要となります。定年後に薬剤師として再就職する場合、就職先は調剤薬局となることがほとんどです。

多くの調剤薬局は、即戦力となる調剤経験者を採用する傾向にあります。調剤経験がない人は、転職や再就職で不利にならないように調剤経験を積める職場へ転職することがおすすめです。

ただし、経験できる仕事内容は勤務先によって異なります。人手不足で教育に手が回らない病院や調剤薬局もあるため、効率よく調剤経験を積める職場かどうか確かめた上で転職先を選びましょう。

4-3.より働きやすい職場に転職する

薬剤師業界ならではの問題ではなく、「働きにくい」「相性が悪い」など今の職場環境に問題がある場合は、転職が問題の解決策となります。より働きやすい職場へ転職して、薬剤師として活躍するチャンスを広げましょう。

薬剤師が転職を成功させるためのポイントは、下記の通りです。

  • ・転職理由を明確にする
  • ・転職に求める条件を考える
  • ・転職で譲れないポイントを絞り込む

転職したい理由や働きにくいと感じている原因を明確にすることで、転職に求める条件を考えやすくなります。条件に合う転職先がなかなか見つからなかったとしても、譲れないポイントだけは妥協しないことが大切です。転職を成功させるために、薬剤師専門の転職サポート・サービスの利用も検討してみましょう。

まとめ

男性が少ない薬剤師の世界では、苦労やストレスを感じる男性薬剤師が多く見られます。女性の割合が多い職場で男性薬剤師が働く場合、清潔感・一定の距離感・平等感の3つに注意が必要となります。

男性薬剤師が職場で活躍するには、キャリアプランを考えつつ必要な資格や経験を積むことが大切です。今の職場が働きにくいと感じている場合は、キャリアアップも兼ねて転職を検討してみましょう。

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