薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2020/06/15

薬剤師の勉強方法|キャリアアップするためには

薬剤師の仕事は、試験に合格して薬剤師資格を取得していれば働くことができます。しかし、薬剤師としてキャリアアップするためには、勤務経験と業務知識が必要です。競争率が高い職場への就職や高年収を目指したい方は、薬剤師の業務について勉強しなければなりません。

勉強といってもどのように行えばよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。当記事では薬剤師にとって効率的な勉強方法や、キャリアアップするために活用すべきサービスを紹介します。

1.薬剤師にとって現場こそが最大の学び場

薬剤師が業務について学ぶためには、さまざまな勉強方法が存在します。代表例を挙げると下記の4つです。

  • 医薬品添付文書や薬理学の参考書など、薬学知識を学べる本を読む
  • インターネットや情報誌で関連知識について情報収集する
  • 現場の業務から知識やノウハウを身につける
  • 開催されている勉強会や研修会を利用する

上記4つのうち、最も効率的に学べる方法は「現場の業務から知識やノウハウを身につける」ことです。薬剤師が関わっている薬学の世界では、新薬が登場したり既存薬の投与法が変化したりするなど、日々進歩を重ねています。変化していく業界動向に取り残されることなく最新情報を学ぶためには、現場で働いて直接情報を得ることが一番です。

薬剤師の基礎知識や基本的スキルを学ぶ場合も、現場が最大の学び場となります。就職して1~2年は基本業務が集中するため、新人薬剤師の方はしっかりと勉強しましょう。最初の1~2年で学んだ技術・ノウハウが、後々に薬剤師として働く際の実力を大きく左右します。

2.現場での業務を通じた勉強法

薬剤師の働き方には、病院勤務の「病院薬剤師」と調剤薬局勤務の「薬局薬剤師」があります。両者には細かな業務の違いがあるものの、主な仕事内容は共通しています。
それぞれの仕事内容は下記の通りです。

調剤業務 医師の処方箋を確認し、調剤を行う
服薬指導 患者に処方薬の薬効・副作用を説明し、服薬方法を指導する
薬歴管理 患者の医薬品服用歴を作成し、適正に管理する

薬剤師としての勉強は、以上で挙げた現場での業務を通して行えます。
ここからは、新人薬剤師が業務を通して勉強する際のポイントを見てみましょう。

2-1.患者からの質問で答えられなかったものはメモを取り調べる

病院や薬局に訪れる患者は、服用する治療薬の詳細を知りたいと考えています。もしも患者から薬剤のことを質問されて、薬剤師である自分が答えられなかった場合は、質問内容をメモに取って調べましょう。分からないことを放置せず、調べる習慣をつけることが勉強において重要です。

業務中にメモを取った質問の答えが分かったら、勉強用のノートに質問と答えをセットにして書き残しましょう。ノートにまとめておくことで分からなかったことを一覧で可視化でき、自分の弱い分野が把握できます。ノートを読み返して復習もできるため、効率的に勉強することが可能です。

また、職場によっては患者から質問される内容がある程度決まっています。質問をメモ・ノートに残すことで、患者が疑問に感じやすいポイントを分析でき、日々の業務に必要な知識を学習できます。

2-2.不明点があれば放置せずに上司や先輩に質問する

薬剤師の業務には、処方箋が適正なものかを調べる処方箋監査など、さまざまな確認作業が含まれています。業務に誤りがないかを確かめる姿勢は、薬剤師にとって重要な資質です。仕事内容で不明点がある場合は上司や先輩に質問しましょう。

上司や先輩の薬剤師にも新人薬剤師だった時代があり、新人薬剤師の業務内容をよく理解した上で勤務し続けています。そのため、新人薬剤師が感じた不明点について分かりやすい答えを持っているものです。上司や先輩に質問することで、書籍などからは得られない「現場の知識」を教えてもらえます。

ただし、同じ不明点について何回も質問すると、上司や先輩から「学習意欲がない」と思われるだけでなく、勉強にもなりません。回答やアドバイスはメモとして書き残し、自分の知識にすることが大切です。

3.現場で得られない知識は勉強会や研修会で補う

現場業務は薬剤師としての勉強に最適であるものの、スキルアップ・キャリアアップを目指す場合、知識不足となるケースがあります。現場だけでは学べない知識を身につけるためには、勉強会や研修会に参加することが必要です。

ここでは、薬剤師向けの勉強会・研修会を開催している2つの団体と研修情報について解説します。

3-1.公益財団法人日本薬剤師研修センター

公益財団法人日本薬剤師研修センターは、薬剤師の生涯学習を支援・推進するために設立された団体です。薬剤師が自身の資質向上を目的として研鑽に努められるよう、下記の研修認定制度が用意されています。

研修制度名称 研修認定薬剤師制度
制度の概要 薬剤師が研修により自己研鑽した成果を記録し、一定期間内で所定単位を取得した場合に認定する
研修会の内容
  • 認定対象集合研修会
  • e-ラーニング研修
研修制度名称 漢方薬・生薬認定薬剤師制度
制度の概要 漢方薬・生薬の取扱いや服薬指導など専門知識を習得した専門薬剤師を認定する
研修会の内容
  • 漢方薬・生薬研修会
研修制度名称 小児薬物療法認定薬剤師制度
制度の概要 小児科領域における薬物療法の理解を深め、専門性の高い薬剤師を養成する
研修会の内容
  • 小児薬物療法研修会
  • 小児薬物療法認定薬剤師新規認定取得のための必須実務研修
研修制度名称 認定実務実習指導薬剤師制度
制度の概要 医療現場の実務実習において、6年制薬学教育制度下の薬学生に対して指導できる薬剤師を認定する
研修会の内容
  • 認定実務実習指導薬剤師養成講習会

出典:公益財団法人日本薬剤師研修センター「各種認定制度等」

3-2.公益財団法人日本薬剤師会

公益財団法人日本薬剤師会は、都道府県の薬剤師会に入会している薬剤師によって構成されている団体です。薬剤師の職場・仕事内容に合わせた研修会を開催していることが特徴で、薬剤師全体の将来を開拓する学術講演会も盛んに開催されています。

研修名称 日薬主催研修会
概要 各種研修会を開催し、職域における知識向上・スキルアップを行う
主な研修内容
  • 病院診療所薬剤師研修会
  • 製薬薬剤師部会研修会
  • 行政薬剤師部会研修会
  • くすり教育研修会など
研修名称 高度管理医療機器販売等に係る継続研修会
概要 研修実施機関として、高度管理医療機器販売業等の営業所管理者に対する研修を行う
主な研修内容
  • 都道府県薬剤師会との共催による継続研修
研修名称 健康サポート薬局研修
概要 「健康サポート薬局」であると表示したい薬局および勤務する薬剤師を対象に、健康サポート薬局の意義・基準の理解が深められる研修を行う
主な研修内容
  • 技能習得型研修(集合研修)
  • 知識習得型研修(e-ラーニング)
研修名称 登録販売者研修
概要 薬局等に勤務する登録販売者の資質向上を目的として研修を行う
主な研修内容
  • 集合研修
  • e-ラーニング研修

出典:公益財団法人日本薬剤師会「研修会」

4.キャリアアップを目指すなら転職サイトでプロに相談

これまで紹介してきたように、薬剤師の勉強方法はさまざまなやり方があるため、全てを実践することは効率的ではありません。とくにキャリアアップのために勉強したい方は、時間・資金などリソースの配分を考える必要があります。

キャリアアップを目指すために勉強する場合、薬剤師専門の転職サイトに登録することがおすすめです。専門転職サイトにはプロのコーディネーターが在籍しており、丁寧なヒアリングを行ってくれます。ヒアリングした内容を元に、勉強の方向性や得るべき知識を一緒に考えてくれるため、的確なアドバイスを得ることが可能です。

また、薬剤師専門の転職サイトの中には、キャリアプランの方向性ごとに個別相談会を開催しているところもあります。在宅医療に貢献するかかりつけ薬剤師として働きたいのか、独立開局を考えているのかなど、キャリア相談を行えることがメリットです。

まとめ

薬剤師の勉強方法としては、現場業務を通じて学ぶことが一番です。調剤業務・服薬指導・薬歴管理は重要な基本業務であり、薬剤師としての知識・資質向上に大きく役立ちます。

現場だけでは得られない知識は、勉強会や研修会で補うことがおすすめです。公益財団法人日本薬剤師研修センターや公益財団法人日本薬剤師会では、薬剤師の勉強に役立つ認定制度・研修会を用意しています。

薬剤師としてのキャリアアップを考えている方は、薬剤師専門の転職サイトでプロに相談して勉強方法を考えましょう。プロのコーディネーターは求人情報に詳しいだけでなく、薬剤師本人にとって効率的な勉強方法を紹介してくれます。

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