薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2021/08/11

【女性薬剤師向け】平均年収・働きやすい職場の選び方

薬剤師は平均年収が比較的高い職業であり、薬剤師を目指している女性・薬剤師としてキャリアアップしたいと考える女性は多くいるでしょう。病院・調剤薬局を始め、ドラッグストアや製薬会社などでも勤務ができるため、薬剤師は今後も需要が高い仕事と言えます。

当記事では、薬剤師の男女別平均年収や、女性薬剤師としてキャリアアップするためのポイントを解説しています。女性薬剤師が働きやすい職場も紹介しているため、就職先や転職先に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

1.薬剤師の男女比

薬剤師の男女比はおおよそ4:6で、特に40~59歳では全体の約7割が女性となっています。下表は、厚生労働省が明らかにしている2018年度の薬剤師の人数です。

■平成30年12月末時点で薬剤師の届出をした人数(全国)

男性 120,545人
女性 190,744人
男女計 311,289人

出典:厚生労働省「平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」

一方で、同じ平成30年に調査した民間企業に対する調査では、女性正社員の割合は26%にとどまっています。

■平成30年正社員・正職員の男女比(全国)

  正社員・正職員計 うち総合職
男性の割合 74% 81.2%
女性の割合 26% 18.8%

出典:厚生労働省「企業調査結果概要」

総合職の女性の割合は18.8%と、より少ない状況です。薬剤師の人数に関するデータは正社員のみの調査ではないものの、民間企業と比較すると、薬剤師における女性の割合は非常に高いことが分かります。

1-1.女性薬剤師が多い理由

女性薬剤師の人数は、平成28年から平成30年までの2年間で約6,000人増加しており、女性人気の高い職業であることが分かります。

出典:厚生労働省「平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」

女性薬剤師が多い主な理由として、下記の3つが挙げられます。

・家庭と仕事を両立しやすい

薬剤師は、基本的に規則正しい就業時間で働け、残業も少ない傾向にあります。また、福利厚生の一環として託児所(託児施設)を設けている職場も少なくありません。

出張・転勤もほとんどないことから、ワークライフバランスを保って働きたい人や育児・介護を行う人にも働きやすい仕事です。

・産後・育休後に職場復帰しやすい

薬剤師は女性の割合が多いこともあり、産休・育休に対して理解のある職場が多い傾向です。就業先によっては、時短勤務やパートでも働けるため、仕事を一度離れても復帰・転職しやすい環境にあると言えます。

・薬剤師には女性特有の細かなフォローや気配りが求められる

薬剤師の仕事には、細やかなフォローや気配りが欠かせません。患者さんの気持ちに寄り添うことはもちろん、疑義照会などの場面では医師とのコミュニケーションも求められます。女性ならではの細かい気遣いや、相手の思いを理解して対応できる薬剤師は、より活躍しやすいと言えるでしょう。

なお厚生労働省の同じデータでは、男性薬剤師の人数も増加傾向にあるため、男女問わず薬剤師の需要が高まっていると言えます。

2.女性薬剤師の平均年収|現在と今後の状況

薬剤師として働く中で、男女別の平均年収が気になる人も多いのではないでしょうか。下記は、厚生労働省が調査した薬剤師の平均年収のデータです。

■薬剤師の平均年収(全国)

男性 約623万円
女性 約527万円
男女計 約565万円

出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

薬剤師における男女の年収差は、約96万円であることが分かります。

一方で、給与所得者の平均給与は男性540万円・女性296万円と、約244万円の差があることから、薬剤師は男女の年収差が比較的小さい職業と言えるでしょう。

出典:国税庁長官官房企画課「令和元年度分 民間給与実態統計調査」

一般的に、女性は結婚・妊娠・出産・子育てなどのライフステージによって影響を受けやすく、時短・パート勤務で働く女性も一定数います。そのため、薬剤師に限らず女性の平均年収は男性よりも低くなりやすいです。

女性薬剤師で平均年収を高めたい場合は、勤続年数を重ねる・管理職に昇格する・平均年収が高い職場に転職する、などの選択肢が挙げられます。

3.女性薬剤師がキャリアアップするためには?

薬剤師は、産休・育休後に復帰しやすい職業である一方、ブランクにより男性と比べてキャリアアップしにくい傾向にあります。「薬剤師としてのキャリアを積み重ねたい」と考える女性は、以下の働き方を検討するとよいでしょう。

  • 管理職として働く
  • 資格取得やスキルアップを支援する職場で働く
  • 結婚・出産に理解のある職場で働く

以下では、それぞれの働き方について詳しく紹介します。

3-1.管理職として働く

「薬局長」「管理薬剤師」などの管理職に就くことで、さらなるキャリアアップ・収入アップが期待できます。管理職を目指す際は、まずは勤務年数を重ね、職場での信頼・実績を積むことが重要です。

管理職に一度キャリアアップできれば、産休・育休からの復職の際も管理職として戻りやすいほか、転職時も管理職求人に応募できます。

3-2.資格取得やスキルアップを支援する職場で働く

長期的なキャリアアップを目指す場合は、資格取得支援制度を導入している職場での就業もおすすめです。薬剤師の関連資格を取得することで、ブランクが発生した際も復職・転職時に役立つでしょう。

薬剤師に役立つ資格としては、「認定薬剤師」「専門薬剤師」として認められる諸資格が挙げられます。

・認定薬剤師

特定の専門分野に関して十分な知識・技術を持ち、現場で活かせる薬剤師

【資格例】

  • 漢方薬・生薬認定薬剤師
  • 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
  • 在宅療養支援認定薬剤師

など

・専門薬剤師

特定の専門分野に関して高度な知識と技術を持ち、他者への指導や研究活動も可能となる薬剤師

【資格例】

  • 医薬品情報専門薬剤師
  • 薬物療法専門薬剤師
  • 認定女性ヘルスケア専門薬剤師

など

認定薬剤師・専門薬剤師に該当する資格は、取得に時間がかかるほか、専門分野に関する学習も必要です。資格取得やスキルアップを支援する職場は、薬局内勉強会・e-ラーニング・キャリア別研修などを整えていることが多いため、職場選びの際は参考にしてください。

3-3.結婚・出産に理解のある職場で働く

キャリアアップしていきたい女性薬剤師は、結婚・出産に理解のある職場を選ぶことも大切です。求人情報を確認する際は、以下のようなポイントをチェックしましょう。

  • 有給・産休・育休の取得実績
  • 時短勤務の可否(「小学校入学まで可能」など、いつ頃まで時短が可能か)
  • 託児施設の有無

薬剤師のための就職・転職サイト「ファーネットキャリア」では、求人条件として「ママ薬剤師におすすめ」で絞り込むことが可能です。求人検索の際はぜひ参考にしてください。

4.女性薬剤師が働きやすい職場

仕事とプライベートを両立して働きたい女性薬剤師は、働き方だけでなく「働きやすい職場の種類」についても理解しておくとよいでしょう。以下は、女性薬剤師が働きやすい職場の例です。

  • 調剤薬局
  • ドラッグストア
  • 託児施設が併設されている職場

各職場の特徴・仕事内容・働きやすいポイントを確認し、就職・転職の際の指針としてください。

4-1.調剤薬局

調剤薬局で働く薬剤師の仕事は、主に調剤・服薬指導・薬歴管理です。医師が書いた処方箋をもとに調剤を行い、患者さんに服薬方法を伝えます。また、患者さんの困っていること・悩みごとに対して、症状改善に向けたアドバイスを行うことも薬剤師の役割です。

地域密着型である調剤薬局は、地方にも多くあるため、家の近くで働ける職場を見つけやすいと言えます。また、保育園・幼稚園・小学校の近くにある調剤薬局に勤務すれば、緊急の呼び出しでもすぐに駆けつけることが可能です。

一方で、総合病院近くの調剤薬局は混雑しやすく、業務も多い傾向にあるため注意しましょう。営業時間が夕方までの調剤薬局であれば、残業も比較的少ない傾向です。

4-2.ドラッグストア

ドラッグストアで働く薬剤師は、接客・商品の品出し・レジ打ち・症状に合った医薬品紹介などと、幅広い業務をこなします。調剤薬局併設型の店舗であれば、調剤・服薬指導・薬品管理も薬剤師の仕事です。

ドラッグストアは営業時間が長い傾向にあるため、シフト制を採用していることが一般的です。そのため授業参観や親子遠足など、平日にイベントがあっても休みが取りやすいと言えます。

大手法人が運営するドラッグストアも増えていることもあり、家の近くで働ける職場も見つけやすいでしょう。またドラッグストアであれば、店長・エリアマネージャーなどの管理職にキャリアアップすることも可能です。

4-3.託児施設が併設されている職場

将来的に子どもが欲しいと考えている人・現在子どもを育てている人は、託児施設が併設されている職場に就職・転職することもおすすめです。出社と同時に子どもを預け、退社後すぐにお迎えに行けるだけでなく、緊急の呼び出しにも対応しやすいでしょう。

なお、託児施設が併設されている職場を探す際は、求人情報を直接確認するだけでなく、転職コーディネーターに相談し求人を紹介してもらうとスムーズに見つかります。

まとめ

女性薬剤師の割合は薬剤師全体の6割以上を占め、平均年収は約527万円と高給傾向です。

女性薬剤師としてより高い給与を得たい場合は、勤続年数を重ね管理職として働いたり、認定薬剤師・専門薬剤師などの資格を取ったりするとよいでしょう。また、女性のライフステージに理解のある職場を選ぶことで、家庭と仕事の両立がしやすくなります。

なおファーネットキャリアでは、薬剤師の就職・転職サポートを提供しています。求職者様に合った求人紹介も可能であるため、薬剤師としてのキャリアに悩んでいる女性や、転職を検討している女性は、お気軽にご相談ください。

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