薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2020/08/04

薬剤師に必要なコミュニケーションとは?スキルを高めるコツも紹介

薬剤師として働く上で、医薬品に関する知識や調剤の技術が必要であることは、言うまでもありません。
しかし、実は「コミュニケーション能力」も薬剤師にとって大切なスキルの1つです。

では、薬剤師に求められるコミュニケーションスキルとは、具体的にどのようなものを指しているのでしょうか。

今回は、薬局や病院で勤務する薬剤師にコミュニケーション能力を求められる理由や、具体的なスキルについて解説します。
業務上関わりのある方々と上手にコミュニケーションを取るコツも併せて確認し、スキルアップのための転職の際にも困らないコミュニケーションスキルを身に付けましょう。

1.薬剤師にはコミュニケーションスキルが必要

薬剤師は医薬品のプロとして、業務上たくさんの方々とやり取りする職種です。
薬剤師としての業務を円滑にこなすためには、あらゆる方と上手にコミュニケーションを取ることが重要となります。

ここでは、調剤薬局や医療機関に勤める薬剤師の仕事でコミュニケーションスキルが重要視されている理由と、求められるコミュニケーションスキルを具体的に解説します。

将来的にも薬剤師として活躍し続けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1-1.薬剤師の仕事ではコミュニケーションが大切な理由

医師から出された処方箋をもとに調剤を行い、処方箋を出された患者に調剤した処方薬を渡すことは、薬剤師の主な業務の1つです。
しかし、調剤だけが薬剤師の仕事ではありません。
薬剤師の役割である「医薬品の適切な処方・服用をチェックする」という観点から必要な業務も、同時にこなすことが大切です。

患者への接遇を通して、処方箋の内容が正しいかどうかを確認し、処方箋に疑義があれば医師に問い合わせをする必要があります。
患者が服薬や薬の効果・副作用に関する悩みを抱えているケースでは、患者の相談にのり、医薬品を適切に使用してもらえるよう指導することも重要な仕事です。

このように、薬剤師の仕事を十分にこなすためには、業務上関わりがある方々と信頼関係を築くことが不可欠です。
薬剤師としての知識や技術を最大限に活かすためにも、コミュニケーション能力は薬剤師に必須のスキルと言えるでしょう。

1-2.薬剤師に求められるコミュニケーションスキル

薬剤師に求められるコミュニケーションスキルの基礎として、「多様性を受け入れること」が挙げられます。

薬剤師のもとには、さまざまな病気やケガを患った方が多数訪れます。
医薬品を安心して適切に使用してもらうためにも、治療や服薬に関するそれぞれの不安や悩みをしっかりと受け止め、理解することが重要です。

しかし、患者の気持ちを受け止める体制が整っていても、患者が「この人であれば話せる・話したい」と思えなければ、患者の本音を引き出すことはできません。
患者と信頼関係を構築するためには、次の3つのコミュニケーションスキルを磨く必要があります。

【患者と信頼関係を築くための3つのコミュニケーション能力】

①服薬指導で求められる「傾聴力」

服薬指導の際には、相手の話を聞く傾聴姿勢や読解力が求められます。
患者の実際の意見だけでなく、言外にあるニーズを声のトーンや表情・顔色などから察知できる観察力、そして総合的な傾聴力を身に付けましょう。

②患者との距離を縮める「雑談力」

服薬指導を行う際には、患者の体調・症状や服薬・残薬の状況、生活(暮らし)のようすといった、患者に関する情報が必要となります。
しかし、これらの内容を単刀直入に質問すると、患者によっては詰問されているような感情を抱き、正確に伝えてくれなくなる場合もあります。
患者が話をしやすいように、たわいもない雑談から、欲しい情報を引き出す力を身に付けましょう。

③患者のニーズを満たす「提案力」

患者と接することで、服薬に関することや、疾患・ケガに関する悩み、生活で困っていることなど、患者が知りたい・聞きたいと思っていることが見えてきます。
患者の悩みや不安に答え、納得感を持ってもらうためにも、患者のニーズを満たす提案ができる力を磨くことも大切です。

ここで紹介したコミュニケーションスキルは、薬剤師として身に付けておきたい基本的な能力です。
意識しながら患者と接し、日々の業務の中で着実にコミュニケーションスキルを磨きましょう。

2.薬剤師が患者・医師・上司と上手にコミュニケーションを取るコツ

薬剤師が日々の業務でやり取りする相手は、患者だけではありません。
医師や看護師、同じ職場の上司や同僚といった、さまざまな立場の相手への対応力を養う必要性があります。

次に、日々の業務で接することが多い「患者」「医師・看護師」「上司(管理薬剤師)」と、上手にコミュニケーションを取るコツを紹介します。
コミュニケーションの方法やポイントを押さえ、薬剤師としての仕事を円滑に進めましょう。

2-1.患者とのコミュニケーション

患者とコミュニケーションを取る際には、「薬剤師=接客業」と認識し、相手に寄り添ったコミュニケーションを心がけることが大切です。
服薬指導では、医薬品に関する話を一方的に話さず、患者の話にしっかりと耳を傾けて、丁寧に答えるようにしましょう。

声のトーンや話すスピード、言葉遣い(専門用語を使い過ぎない)などを、相手によって調節することも重要です。
地域によっては方言を活用しても良いでしょう。
親近感を持ってもらえるため、患者からさまざまな情報を引き出すことが期待できます。

会話の内容や言葉遣いだけでなく、患者と接する際の態度や所作にも注意が必要です。
薬の説明が書かれた書類をじっと見ながら、目線を下に向けた状態で話すことは印象が悪くなるため避けましょう。
患者の方を向いて、はきはきと話すようにしてください。

「保険証とおくすり手帳、処方された薬はきれいに揃えて渡す」など、自分の態度や所作が、相手からどのように見えるかを意識することも大切です。

2-2.医師・看護師とのコミュニケーション

処方箋をもとに薬の調合を行っている薬剤師にとって、医師や看護師との連携は避けて通れません。
なかでも「疑義照会」は、医療関係者とやり取りする上で最も注意したいポイントです。

疑義照会とは、「処方制限を超えている」「用法用量が不適切」などの問題があった場合に、処方した医師(処方医)に問い合わせて確認し、返事をもらうという一連の流れです。

医師も看護師も現場の仕事が忙しいため、疑義照会の際に雑な対応をすると、トラブルが発生してしまう恐れがあります。
連絡する前に、手短に話せるよう要点をまとめ、処方変更する場合の代替案や、改善策を求められた場合の回答も準備しておきましょう。言い回しやマナーも、注意点の1つです。

2-3.上司とのコミュニケーション

業務を円滑に進めるためには、上司(管理薬剤師など)とコミュニケーションをしっかり取り、信頼関係を築くことも大切です。

「報告・連絡・相談」といった社会人の基本を徹底し、敬意を持って上司とコミュニケーションを取るよう心がけましょう。

また、上司に対する気遣いも忘れないことも重要です。
管理薬剤師は調剤業務以外にも、労務管理など担当する業務が多く、残業が発生する場面も珍しくありません。
「何かお手伝いできることはありますか」と笑顔で声かけするだけでも、職場での人間関係を良好に保つことができるでしょう。

3.薬剤師にとってコミュニケーションスキルは転職でも役立つ

今後、薬剤師業界ではAIなどのテクノロジーが導入され、機械的な調合や袋詰めといった作業は自動化されていくと予想されています。
しかし、AIでは患者の不安を和らげたり、医師や看護師などの医療職に丁寧に問い合わせたりといった対人業務を、柔軟にこなすことは難しいでしょう。

人と円滑にコミュニケーションを取ることは、AIでは代替が難しい人間特有の能力です。
高い会話力を持つ薬剤師は、将来にわたって重宝され、重要性の高いポジションに就ける可能性が高まるでしょう。
転職も比較的スムーズに進むことが期待でき、キャリアアップも望めます。
患者のニーズにしっかりと応え、医師や看護師、上司からの信頼性も高い薬剤師になれれば、転職活動を行う際にも有利に進めることができるでしょう。

薬剤師として転職を考えている方は、転職活動のあらゆるステップで手厚いサポートを行っている「ファーネットキャリア」の利用がおすすめです。
薬剤師専門の就職・転職サービスであるファーネットキャリアを活用し、自身の転職活動を効率よく進めましょう。

まとめ

薬剤師は、患者や医師・看護師といった医療従事者、同じ職場の上司や同僚といったさまざまな立場の方と日々の業務で接しています。
「薬の専門家」である薬剤師としての業務を円滑にこなすためにも、相手に応じたコミュニケーションスキルを磨いて実践することが大切です。

高いコミュニケーション能力を持つ方は、AIが台頭するといわれている近い将来でも重宝される人材となる可能性が高いと言われています。
特に転職を考えている方は、コミュニケーションスキルを磨くとともに、「ファーネットキャリア」などの転職サービスを上手に利用し、キャリアアップを目指しましょう。

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