薬剤師の転職お役立ちコラム COLUMN

2021/04/16

疑義照会とは?薬剤師が疑義照会をスムーズに進める方法

保険薬局などで薬剤師として働き始めて日が浅い方の中には、疑義照会にうまく対処できず、どのように行うとよいか悩んでいる方もいるでしょう。疑義照会は薬剤師にとって重要な業務であるため、苦手意識を払拭し、問題なく対応できることが望まれます。

この記事では、疑義照会の概要や、疑義照会をスムーズに進めるためのポイントについて解説します。疑義照会を行う上での注意点や疑義照会の記録内容の書き方も確認し、疑義照会を円滑に進められる薬局薬剤師を目指しましょう。

1.疑義照会とは?

疑義照会とは、処方箋の記載内容に不明点や疑問点があった場合に、処方箋を出した医師(処方医)や処方箋を受け取った患者に対し、処方箋の内容を確認する業務です。薬局などで調剤業務を行う薬剤師の重要な業務の1つであり、薬剤師法24条に次のように定められています。

■薬剤師法24条:処方箋中の疑義

薬剤師は、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。

引用:e-Gov法令検索「薬剤師法」

薬剤師が行う疑義照会は「形式的疑義照会」と「薬学的疑義照会」の2つに大別できます。

ここからは、2種類の疑義照会の内容について解説するため、それぞれの疑義照会でチェックすべき点も確認し、疑義照会の基本を押さえましょう。

1-1.形式的疑義照会:処方箋の記載不備を確認する

形式的疑義照会とは、薬剤師が正しく調剤するために、処方箋に記載された内容に不備がないか確認することです。以下について確認し、不備や不明点・疑問点があれば、処方箋を発行した医師や歯科医師、獣医師に対して疑義照会を行う必要があります。

■形式的疑義照会のチェックリスト

  • □処方箋に記載すべき必要事項(記載項目・規格・用法など)が記入されているか
  • □処方箋が正規ルートで発行されたものか(カラーコピーなどで偽造されていないか)
  • □名称変更や販売中止となった医薬品はないか
  • □処方制限や投薬制限を超過していないか

1-2.薬学的疑義照会:投薬しても問題ないか確認する

薬学的疑義照会とは、薬学の専門家として処方箋の内容を確認し、薬学的視点から見て投薬しても問題がないかどうか患者に確認することです。次のようなチェックをもとに患者に聞き取りを行い、疑問点や不明点、確認すべき点などが生じた場合には、処方箋を発行した医師や歯科医師、獣医師に問い合わせましょう。

■薬学的疑義照会のチェックリスト

  • □患者に副作用歴や薬物アレルギーなどのアレルギーがないか
  • □薬剤服用歴(投薬履歴)上、今回処方された医薬品を使用してもよいか(重複投与や併用薬との飲み合わせ・併用禁忌といった問題はないか)
  • □禁忌または慎重投与となっている症例ではないか
  • □用法や用量は適切か
  • □患者に必要な薬剤が処方されているか

2.疑義照会が簡単ではない理由

疑義照会は薬剤師の重要な業務であるものの、いざ行おうとするとスムーズに進まないことも多々あります。疑義照会が簡単に進まない理由には、以下の2点が挙げられます。

〇疑義照会の内容を取捨選択する必要がある

疑義照会では、疑問点や不明点をすべて医師などに確認すればよいという訳ではありません。医療現場で働く薬剤師や医師は通常業務で忙しいため、すべての疑義を確認することは難しいでしょう。

疑義照会を行う際には、薬学的観点から「疑義照会をすべきかどうか」を判断し、選別するところから始める必要があります。本当に必要か判断するスキルが求められるため、特に薬剤師としての経験が少ない方は疑義照会に苦手意識を持つことも少なくありません。

〇薬学的疑義照会は薬剤師の経験が問われる

形式的疑義の場合、処方箋に記載されている内容をきちんと確認できれば、経験の少ない方でも早い段階で自己判断できるようになります。

一方、薬学的疑義の場合は処方箋を見ただけでは判断できないことも少なくありません。薬剤師としての経験や知識が求められるため、経験年数の少ない若手薬剤師では薬学的疑義の発見までの調査に時間がかかり、業務効率が低下することもあるでしょう。

3.疑義照会を円滑に進めるための4つのポイント

疑義照会をスムーズに進めるためには、薬剤師としての豊富な知識・経験を身に付けるとともに、医師や患者とのコミュニケーションスキルを高める必要があります。では、疑義照会における医師への問い合わせや患者への質問といった場面では、どのような点に気を付けるとよいのでしょうか。

ここからは、疑義照会を円滑に進めるためのポイント・コツを4つ紹介します。4つのポイントを意識して、医師や患者との良好な関係を損なわない疑義照会を行いましょう。

3-1.親身な対応で患者から同意を得る

「担当医に迷惑がかかるのでは」「時間がかかると困る」といった理由から、疑義照会を嫌がる患者もいます。「自分が何かしてしまったのでは」と不安に感じる患者も少なくありません。患者に疑義照会に協力してもらうためには、患者の立場を考えて親身な対応を心がけることが大切です。

「医師に問い合わせます」といった強い言い回しを避け、質問や相談、お願いといった服薬指導の延長のような形から疑義照会につなげましょう。疑義照会は患者の健康や生命のために行うことも説明し、疑義照会の同意を得ることもポイントです。

3-2.疑義照会を行う前に代替案を準備する

病院やクリニックなどに勤務する医師は多忙であるため、疑義照会を行う際には、可能な限り短い時間で疑義を解決できるよう配慮する必要があります。簡潔な疑義照会を目指す一環として、医師に疑義照会の連絡を行う際には代替案や解決策を準備しましょう。

例えば、妊娠中の患者の処方箋に妊婦には禁忌の医薬品が記載されていて疑義照会を行う場合、代用となる医薬品について医師から尋ねられることがあります。妊娠中でも使用可能な同効薬やその用法をリストアップしておくなど、疑義を解決するために必要な情報(処方変更など)を事前に準備しておきましょう。

3-3.要点を整理してから医師に電話する

代替案の事前準備とともに、処方箋に関する問い合わせ内容について要点を整理してから医師に連絡することも重要です。診療や研究など、多忙な仕事の間を縫って対応してくれる医師に対して、可能な限り疑義照会の連絡に時間をかけないよう配慮しましょう。

疑義照会に慣れていない間は、頭の中だけで要点を整理することは避け、メモなどに要点をまとめてから医師に連絡することをおすすめします。医師から得た情報も要点をまとめたメモに追記できるため、よりスムーズに疑義照会ができるでしょう。

3-4.指摘ではなく相談として問い合わせる

疑義照会は、場合によっては医師のミスを指摘する内容となるケースもあります。医師の処方ミスが疑われるケースでは、問い合わせの仕方によっては医師を怒らせてしまう可能性もあるため注意が必要です。

医師の処方ミスに関する疑義照会を行う場合は、医師との関係性を損ねないよう、「指摘」「意見」「報告」ではなく、「相談」の言い回しや言葉遣いを心がけましょう。処方意図を汲み取りながら「前回は3回であった服用回数が2回へ変更されていますが、このまま処方してもよろしいでしょうか」といったソフトな伝え方が理想的です。

4.疑義照会の記録内容の書き方

疑義照会を終えたら、疑義照会の内容を記録しましょう。処方薬に変更があったかどうかにかかわらず、処方箋の備考欄と患者の薬歴簿の該当ページの両方に、黒色または赤色のペンで記載します。薬局指定の様式がない場合は、他のスタッフが一目で状況を理解できるよう、次のポイントを押さえて記載しましょう。

■疑義照会に関して処方箋や薬歴簿に残す記載事項

  • 疑義照会を行った年月日・時刻・連絡手段(電話、ファクシミリなど)
  • 担当した薬剤師名
  • 回答者(処方医師など)の氏名
  • 疑義照会を行うに至った経緯
  • 疑義の要点(代替となる処方提案、対応策など)
  • 疑義に対する回答の要点
  • 処方の変更内容(用法変更や処方削除・追加) など

【記載例】

○○年○月○日 ○時○分 電話にて照会
担当薬剤師:○○  回答した方の氏名:△△先生
患者の■■のアレルギーにより、●●を削除・▲▲を●●の代用薬として処方(△△先生確認済)

疑義照会は、患者の健康を守るために薬剤師が行う重要な業務です。医師や患者との関係を良好に保てるよう丁寧な対応を意識し、疑義照会につなげる質問から疑義照会の記録・情報共有に向けた運用までの一連の業務を円滑に行いましょう。

まとめ

疑義照会とは、処方内容に疑問点や不明点があった際に、薬剤師が医師などに問い合わせる行為であり、薬剤師法でも義務付けられた重要な業務です。キャリアや薬学的知識に基づき、問い合わせる案件を取捨選択する必要があるため、疑義照会に関して悩んでいる方は少なくありません。

疑義照会を円滑に進めるためには、患者や医師の立場を慮った対応を取ることが重要です。「患者に対して親身な対応を心がける」「医師には簡潔に伝える」などのポイントを押さえて疑義照会を行い、記録を残すステップまでスムーズに進められるようになりましょう。

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