転職活動の基本 BASIC
転職希望の薬剤師が現職場からの引きとめに対処するには
転職する薬剤師が現職で退職意志を表明した場合、たいていの場合は引き留められます。たとえ、誠意をもって引継ぎの期間を考え、退職希望日から数ヶ月前での表明であったとしても「考え直してほしい」といわれることがほとんどなのです。
特別な免許が必要のない職種で代わりの人を採用する場合は、応募条件は採用側の裁量次第でハードルを上げたり下げたりできます。しかし、薬剤師採用の場合は、当然ながら薬剤師免許取得者でなければなりません。
薬剤師不足の状況から、雇用側（薬局、病院など）は代わりの薬剤師確保は難航することを十分予想しています。また、求人を出して採用に至るまでにかかる費用や時間の損失は膨大なものになります。
さらに、仮に代わりの薬剤師を採用することができたとしても、その人にとっては新しい職場です。業務になじんでもらうためには、教育や指導などに時間と労力を投入しなければなりません。
こうした理由から、雇用側は退職意志を表明した薬剤師を引き止めようとします。または、代わりの人材に目処がつくまで退職時期を引き伸ばすようにさせます。
それでは、具体的にどのような方法で引き止めてくるのでしょうか。また、どのように引き留めに対処すればいいのでしょうか。そこで、現職から引き留めにあったときの対応について解説していきます。
雇用側が退職希望の薬剤師を引き止めるための言動
引き止めるために使われる言動としては、高く評価していること伝えて自尊心をもたせたり、不満に思っている労働条件の改善を提案したりすることがあります。
ただ、場合によっては人格攻撃をしてくることがあります。例えば、引き止めの説得をするときに上司や先輩から「そんな甘い考え方では、どこにいっても通用しない」などのような言動があること多いです。
しかしながら、「どこにいっても通用しないはずの人間」を引き留めて雇用し続けようとするのは明らかに矛盾しています。
雇用側が人格攻撃をする理由は、劣等感や負い目を抱かせることによって説得できると考えているのでしょう。プライドの高い退職希望者には逆効果かもしれませんが、そのような言動をしてまで、なんとか退職を引き留めることを試みます。
また、雇用側が多忙を理由にして、薬剤師が退職の話をすること自体を避けてうやむやにすることがあります。他には社内の規定を盾に退職する時期を先延ばしさせて、その間になんとか退職を辞退するように軟柔してくることもあります。
雇用側が薬剤師の退職を思いとどまらせるとき、使用する言動や方法はさまざまです。ただ、自尊心をくすぐって本人を喜ばす方法であれ、負い目や劣等感をもたせて本人を不快にさせる方法であれ、引き止める雇用側の目的は決して薬剤師本人のためではありません。まずは、退職希望の薬剤師は「引き留める雇用側の真意」を理解すべきです。
退職を引き留める雇用側の真意とは
薬剤師に辞められると、雇用側は代わりの薬剤師を見つけなければいけません。そのためには求人を出し、採用のために面接を行い、さらには教育の期間が必要です。ここには時間、金銭、そして労力といったコストがかかってきます。
こうした真意があるものの、雇用側は「薬剤師本人のために引き留めている」といってきます。本当の意図はできるだけ隠そうとします。
もちろん、場合によっては、「君がいなくなると困る」といった本音をいって、「泣き脅し」をすることもあります。ただ、退職を希望する薬剤師は雇用側の都合のために引き止められていることを理解し、自分の将来を本気で考えたうえで、ぶれない意志を強くもつようにしましょう。
しかしながら、薬剤師が退職の意志を持つことができたと考えても、現場からのあらゆる説得に対抗できる「理論武装」を個人で行うのは至難の業です。「職業選択の自由」を主張できることはわかっていても、その権利をどのように表現して主張すればいいのか、わからない人もいるでしょう。
ましてや、雇用側が引き留めるための説得するときには上司、先輩、そして管理職など複数の目上の人物を1人で対応しなければなりません。そのような状況に圧倒され丸め込まれて、退職を撤回させられざるを得なくなることもあります。
このような「半強制的に」勤務を継続させられる状況を打破するためには、単純ですが第三者に相談することが重要です。ただ、個人で弁護士や行政機関に相談するのは敷居が高いと考える人もいます。そこで、転職エージェント（転職サイト）を活用しましょう。
退職の意思を貫徹するため、転職エージェントを活用すべき
転職エージェントは求職の薬剤師の希望に沿った求人案件を紹介して、面接などの選考の手配をするだけではありません。彼らは求職者（転職しようとする薬剤師）の希望を聞き出します。このとき同時に、転職先に紹介するために必要な「説得力のある転職理由」を一緒になって考えてくれます。
そうしたやり取りをしていると、転職希望の薬剤師は「なぜ現職を退職し、他の職場に転職しようと考えているのか」に関して、考えをまとめることができます。
特に人格攻撃など感情的な方法で引き留めをされたときには、退職によって実現できるキャリア形成について理路整然と説明することができます。これは、強引な引き留めを回避することにつながります。
転職エージェントとのやり取りは、退職の意思を貫くために必要な理論武装の構築に役立ちます。
ただ、こうしたやり取りは転職エージェントの担当者と対面でやり取りすることによって構築できるものです。そのため、転職エージェントは直接面談してくれる会社を選ぶべきです。
弊社ファーネットキャリアでは求職希望の薬剤師さん（退職を検討している薬剤師さん）と面談し、転職の決断に至る経緯を確認させていただいております。転職希望の薬剤師さんとは必ず面談をしているため、そのなかでヒアリングさせてもらっているのです。
現職での執拗な引き留めに1人で対抗するには、特に精神面での負担が大きいです。その結果、心が折れて意に反して退職を撤回してしまうことがあります。そこで転職エージェントを活用することによって自分の正当性を主張し、引き留めの圧力を跳ね返して思い通りのキャリア形成を実現しましょう。
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