コーディネーターレポート REPORT
大分県OITA
仲が良すぎて辞められない薬剤師に別府市の薬局を紹介
弊社ファーネットキャリアは薬剤師専門の転職エージェント(転職サイト)なので、さまざまなバックグラウンドを持った薬剤師さんから相談を頂きます。そして、薬剤師さんからヒアリングを行う中で、「人間関係」という言葉を、かなりの確率で耳にします。
薬剤師は「限られた空間」で「限られた人」と仕事をするので、人間関係のトラブルが起こりやすく、こじれてしまうと修復も難しいことがほとんどです。しかし、問題になるのは「人間関係の悪さ」だけではなく、「人間関係の良さ」に悩んでいる薬剤師さんからも相談を頂きます。
例えば以前に、大分県別府市にお住まいの30代女性薬剤師さんから相談を頂いたことがあります。劣悪な労働環境から転職を検討していらっしゃいましたが、現場スタッフさんとの良好な人間関係に後ろ髪を引かれてしまい、転職に踏み切れずにいらっしゃいました。
しかし、仕事のストレスで体調を崩してしまったため、転職を決意され、体調と向き合いながら働ける別府市内の調剤薬局を紹介させて頂きました。
福岡の調剤薬局へ新卒入社
この薬剤師さんは、福岡県の薬科大学を卒業後、地元である大分県には戻らずに福岡市内の調剤薬局で勤務を始めました。内科や小児科、糖尿病を扱う忙しい店舗に配属となり、毎日ヘトヘトになりながらもプライベートな時間に栄養学の勉強をされていらっしゃったそうです。
高齢の患者さんも多かったため、患者さんひとりひとりに向けて食事法のアドバイスを書いたメモを用意して渡すなど、患者さんに喜んでもらえるような努力を重ねていらっしゃいました。
そんな姿勢が評価され、2年目から管理薬剤師を任されました。ただ、当時お付き合いしていた方と結婚することが決まり、4年間勤務したタイミングで退職されました。
友人が立ち上げる薬局の手伝い
結婚してからしばらくは、専業主婦として家庭を支えていらっしゃいました。しかし、友人から「薬局の立ち上げを手伝ってほしい」と依頼があったため、正社員として再び白衣を着ることになったそうです。小児科の門前にある薬局だったため、子供が好きなこの薬剤師さんにはぴったりの薬局だったと話してくださいました。
ただ、半年ほど勤務したタイミングで姑さんが体調を崩してしまい、薬剤師さんが看病することになりました。薬局も軌道に乗り、店舗も落ち着いていたため、退職して時間の自由がきくパート勤務ができる薬局へ転職されたそうです。
陰湿ないじめが原因で体調を崩す
パート勤務をしながら、姑さんの通院サポートや身の回りのお世話をするという生活は身体的にかなりハードでした。ただ、姑さんからも感謝されていたため、それを嫌だと感じることはなかったそうです。しかし、そんな生活が数ヶ月続き、体も慣れてきたころに、職場内で嫌がらせを受けるようになりました。
最初は「挨拶を無視される」といった嫌がらせだったため、気にしないようにしていらっしゃったのですが、嫌がらせはエスカレートして自分の物を捨てられていることもあったそうです。
ただ、姑さんの身の回りのお世話をするのにお金が必要だったため、仕事を辞めるわけにはいかず、耐えながら勤務を続けていらっしゃいました。
そんな状態に長く耐えられるはずもなく、ついに体調を崩されてしまいました。その影響は家庭にもあらわれ、旦那さんとケンカすることが絶えなかったそうです。壊れてしまった人間関係を修復することはできず、最終的に仕事を辞めて、旦那さんとも離婚することになってしまったと話してくださいました。
地元である大分にもどって療養生活
それからしばらくは実家のある大分県別府市に戻って、ゆっくりと過ごされました。すべてのストレスから解放されたことに加えて、「ご両親が近くにいる」という安心感から体調もすぐに回復されたそうです。
ただ、いつまでもご両親に甘えるわけにはいかないと、数か月後には実家から通える個人薬局で仕事を再開されました。現場スタッフさんが良い人で、実の娘のように可愛がってくれたため、とても楽しく勤務することができていました。
ただ薬局のオーナーは薬剤師ではなく、顔を合わせるのは集金に来るときくらいで、そのときも非常に不愛想な態度だったそうです。なにか仕事に支障があるわけではなかったので気にせず勤務して、気が付くと1年が経過していました。
しかし長く勤めてくると、少しずつ理不尽な勤務を強いられるようになっていったそうです。例えば、以前は支給されていた残業代が支給されなくなったり、休日の朝にいきなり電話で出勤を求められたりすることが増えていきました。休日出勤しても手当がつくことはなく、勤務時間だけが伸びていったそうです。
会社の体制に不満が募っていきましたが、仲の良い現場のスタッフや患者さんのことを考えると、「この人たちの役に立てるなら……」という気持ちが勝り退職しませんでした。
次第に、休日になっても「出勤しないといけないかもしれない」と思うと、ゆっくりと休めないようになってしまい、再び体調を崩してしまったそうです。仕事との付き合い方を考え直さないと、今後の人生にも悪い影響がでると感じ、弊社ファーネットキャリアに相談されたそうです。
転職活動開始
弊社ファーネットキャリアでは求人案件を提案する前に、お近くまで伺って面談を必ず行います。実際にお会いして本人の人柄まで含めてしっかりと現状の把握をすることでミスマッチを減らせるからです。
今回、大分県別府市の自宅近くのカフェでお時間を頂きました。体に負担の少ない環境で働きたいという希望と、転職することで現職場のスタッフに迷惑がかかるという気持ちで板挟みになっていらっしゃいました。
気づくと2時間ほど話をしていましたが、私に話したことで気持ちがすっきりされたのか、「転職しようと思います」と決心していらっしゃいました。ヒアリングした内容から、以下のような希望に沿って求人を探すことになりました。
- ・大分県別府市のご実家から通える薬局
- ・薬剤師の人数に余裕があり、急な出勤がないこと
- ・週休2日で日祝と平日1日休みを希望
リクエストは難しくなかったので、求人リサーチの専門部署から3つの求人がすぐに上がってきました。
- ①大分県内に展開する個人薬局
- ②全国規模の調剤薬局チェーン
- ③九州地方を中心に店舗展開する調剤薬局チェーン
薬剤師さんに確認してもらうと、②の薬局は知り合いが勤務していたため一旦保留となりましたが、①と③の薬局は面接を希望されたので面接の日程調整をしました。当日の面接には私も同行をさせて頂き、どちらの薬局も良い雰囲気で面接を終えて、店舗の見学もそのときにさせて頂きました。
面接を終えてから、近くにあったカフェに入って2つの薬局の印象を伺うと、「①の薬局の社長さんの考え方が、自分の目指す方向とマッチしていて感動しました。現場は少し忙しそうでしたが、しっかりと休日が取れるなら頑張れます」とのことでした。
とんとん拍子で入社が決まったのですが、ここから現職場を退職するのに非常に時間が掛かりました。現職のオーナーに退職することを伝えると、「勤務体制を見直すから考え直してくれないか」となかなか承諾してもらえず、現場のスタッフさんからは涙を流されてしまいました。
また、退職することを知らない患者さんから「今度、畑でとれた野菜を持ってくるからね」と優しい声をかけられ、すっかり退職する気持ちがなえてしまったそうです。薬剤師さんから「転職を考え直したい」と連絡があり、内定していた薬局に入社辞退することになりました。
私も「勤務体制が改善されるなら転職する理由はないから仕方がない」と納得していたのですが、2ヶ月後に薬剤師さんから連絡がありました。
話を聞くと「勤務体制が改善されたのは少しの間だけで、また前と同じような状態に戻ってしまいました」とのことでした。現職のオーナーに裏切られたという気持ちが強く、「これ以上は続けられない」と退職意思を強く伝えたそうです。
ついに、オーナーも退職を承諾し、1か月後の退職日が決まりました。内定辞退した薬局も、まだ薬剤師の募集をしていたため、そのまま入職することになりました。
入職して1か月が経ち、少し落ち着いたタイミングでアフターフォローの電話をすると「新しい環境で、まだ足を引っ張ってしまってますが、周りのスタッフさんが助けてくださるのでとても働きやすいです。休日もゆっくりできるので体調も回復してきています」と順調に再スタートできている様子でした。
今回の薬剤師さんのように、過酷な労働環境から転職を考えていても、スタッフ同士の仲が良いために退職に踏み切れない薬剤師さんは多いです。ただ、体調を崩すほど我慢してしまうと、限界を迎えたときに会社にも本人にも深刻な影響が出かねません。
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