薬科大学を卒業後、患者様に一番近くで接することができる調剤薬局に魅力を感じ、大手調剤チェーン薬局に入社されました。

大手調剤薬局ということもあり、同期の薬剤師さんも多く、みんなで切磋琢磨し、良い関係を築きながらお仕事をされていたようです。「退職後も連絡を取り、たまに食事に行ったり、自宅に遊びに行ったりと良い関係を継続しています」と話して頂きました。

ご主人様とは知人の紹介で出会い、2年の交際を経て結婚されました。結婚後、1年ほどが経ち、薬剤師経験としましては約9年となったタイミングで、1人目のお子様を授かりました。

出産・育児のため退職され薬剤師さんは家庭に入りました。「1人目の子供ということもあり、両親や友人に助けてもらいながら何とか育てました」と話して頂きました。

そして、2年後に2人目のお子様を授かりました。子宝に恵まれ日々の子供の成長に対し、喜びを感じながらも、慌ただしくされていたご様子でした。

今回、1人目のお子様が小学生に上がることをきっかけに、「せっかく持っている薬剤師資格だから」と復職を考え、弊社へ問い合わせを下さりました。

面談では、兵庫県にある薬剤師さんのお住まい近くのカフェにて、下のお子様を保育園に預け、上のお子様と一緒に、にぎやかな雰囲気の中で面談を行いました。

面談ではまず、薬剤師さんが働ける時間帯や、日数をお伺いさせて頂きました。保育園の送り迎えや家事を行うにあたり、何時まで勤務可能かなど少し余裕を持った時間配分にてご相談させて頂きました。

次に、時間帯を配慮した上での通勤可能なエリアをお伺い致しました。今後、急にお子様を迎えに行くなど、イレギュラーな対応は小さなお子様を持つ方にはよくある話です。自宅から、または職場からどのくらいの距離であれば通勤できるのか、送り迎えなどを行うにあたりエリアの許容範囲などを薬剤師さんと二人で考えました。

最後に、薬剤師さんが7年ほどのブランクのある方でしたので、復職をしたとき他の薬剤師さんに対し迷惑を掛けないかなどを心配していました。

以上の内容を踏まえ、薬剤師さんが出した条件・ご希望は下記の通りです。

• ・勤務時間9～14時までの勤務。勤務日は週3日程度。
• ・自宅より自転車で30分以内。電車利用の場合、保育園のある方角へ4駅程度。
• ・薬剤師複数人体制(3～4名)。

勤務時間に関しては、下のお子様を15時にお迎えに行くため、上記の時間を設定致しました。勤務日数に関しては、ブランク明けということもあり、始めは週3日程度で働き、慣れてきたら日数を増やしたいとのことでした。

通勤時間・エリアに関しては、お子様の急な対応に比較的早く向かえるよう、30分程度との希望でした。

職場環境については、教育をしっかりと行って頂ける環境と、お子様の急な対応にも極力迷惑を掛けたくないという想いから、複数人体制を望みました。

面談後、早速社内に戻り通勤可能な各薬局に対し、声掛けをスタート致しました。

自転車での通勤、電車通勤でも4駅ほどの距離のため、該当する薬局は決して多くありませんでした。約2日掛けて薬局に対しお声掛けを行いました。勤務時間が短い部分・勤務日数が少ない部分などにより、なかなか検討して頂ける薬局が見つかりませんでした。

リサーチ状況に関しても、薬剤師さんへご連絡を差し上げながら行いました。すると薬剤師さんより「子供が小学校へ入学してすぐは色々と忙しくなると思うので、じっくり妥協なく探していきたいので少し時間を掛けても大丈夫ですよ」との意見を頂きました。

そこで、声掛けの範囲を広げることは出来ない（妥協はできない）ため、通勤可能な薬局に対してのみ定期的に情報をお伝え致しました。すると声掛けを開始してから3ヶ月が経つ頃、ほぼ同時期に2つの薬局より「前回、紹介して頂いた方ですが、まだご紹介可能ですか？」と連絡が入りました。

薬局より連絡を頂いた背景としては、1つは扶養内で働く薬剤師さんが退職するという理由でした。もう1つは新規店舗の開局に併せて、薬剤師さんを増員したいとのことでした。私は、それぞれの薬局に対し再度薬剤師さんをご紹介させて頂き、正式に2つの薬局より求人案件を頂きました。

こうして頂いた求人内容は下記の通りです。

A、兵庫県に3店舗を展開している個人薬局

今回、受け入れ可能とご紹介頂いた店舗は小児科・耳鼻科をメインに応需しており、少し忙しい店舗です。しかし、働く薬剤師さん、事務の方含め、すべて女性のスタッフさんだったため、子育てに対してもご理解を頂ける環境でした。店舗も駅から徒歩圏内にあるため通勤も便利な薬局です。

B、兵庫県を中心に展開している中堅規模の薬局

ご紹介頂いた店舗は、整形外科をメインに応需しており、比較的時間に余裕のある薬局のため、復職される薬剤師さんにとっては良い環境下の薬局でした。勤務時間・勤務日数に関してもご理解頂きました。しかしながら、駅からバスを利用しなければならないため、少し通勤に不便な環境でした。

上記の薬局をそれぞれ薬剤師さんにご紹介させて頂き、薬剤師さんは1週間ほど考えられました。検討中も様々な質問を頂き、そのご質問に対し薬局へ確認を行いました。

その結果、A薬局のみ面接に進みました。理由としましては、忙しい店舗のため復職するにあたり少し不安を感じていましたが、薬剤師さんの配置人数が多く、子育てを経験している女性薬剤師さんも多いため安心して勤務ができると感じたからです。

B薬局は復職には適した環境下でしたが、やはりバスを利用するという通勤が、今後のお子様の急な対応に対し難しいと思ったからです。

それから、薬剤師さんより面接可能な候補日を複数日頂き、面接をセッティングしました。

面接日をセッティング後、履歴書や職務経歴書などの準備をお願いし、面接当日を迎えました。約束の時間より20分ほど前に待ち合わせを行い、面接に向けてのアドバイスを織り交ぜながら、緊張する薬剤師さんをサポートしながら面接に臨みました。

しかし、いざ面接が始まると緊張していた薬剤師さんの気持ちを吹き飛ばすかのような、大変明るい包容力のある女性社長と、穏やかな人柄のベテラン管理薬剤師さんという面接官の存在に、開始後すぐに場の雰囲気は和みました。

また、社長・管理薬剤師さん、二人の様子からも分かるほどに現場との距離感が近く、風通しの良さを感じました。「私は、思った意見をしっかりと自分の中で整理し、都度社長に提案していますよ」と管理薬剤師さんが話して下さり、日々、上・下関係なく良い薬局作りを目指している様子でした。

そして、良い薬局作りは会社の体制に関しても同様です。「各薬剤師さんが快く勤務できるよう、子育てに対する考え方や、柔軟な対応能力などを皆さんに求めています」と社長が話して下さりました。子育て経験のある薬剤師さんも多く、状況を理解して頂き就業時間帯などを話し合いました。

面接では、今後子供の成長に合わせて、無理のない範囲で勤務時間や日数を伸ばしていくことで話がまとまりました。

面接後、3日ほど経ち薬局から採用の連絡を頂きました。私は早速薬剤師さんに連絡し、結果を報告すると、「ぜひお願いします」とすぐに薬剤師さんより返事を頂きました。お子様は既に小学校に通っていたため、返事から1週間後に勤務を開始しました。

無事に入社され、1ヶ月後に薬剤師さんに状況をお伺いしてみると「ブランク明けで、少し大変な時もありますが、周りの薬剤師さん・事務さんに助けてもらいながら、日々やり甲斐を感じながら働けています」とのお言葉を頂きました。

子育てを行う中で、どうしても仕事を離れなければならない時は、恐らく殆どの方に訪れることでしょう。そして、ある程度お子様が成長しないと勤務時間や勤務地の制限などがついて回ります。

今回紹介させて頂きました転職事例は、まさに子育て中心の時期を日々頑張っておられる薬剤師さんの事例でした。

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