薬剤師の必要な資格・技能 SKILL

患者から支持されるかかりつけ薬剤師になるには

患者から支持されるかかりつけ薬剤師になるにはのイメージ

薬局の中でも、「かかりつけ薬剤師」は非常に重要な存在だといえます。

患者側からすれば「かかりつけ薬剤師」を指名することで、一般用医薬品(OTC薬)やサプリメントを含めた服用歴の情報を1人の薬剤師に一元管理してもらうことになります。そこから、最適な服用指導を総合的にしてもらうことができます。

ただ、「かかりつけ薬剤師」をもつことによって患者負担は増えます。その分だけ、かかりつけ薬剤師指導料が加算されるからです。そこで「かかりつけ薬剤師」を普及させるため、その意義を個々の患者さんに浸透させる必要があります。

【かかりつけ薬剤師の費用対効果】

相談しておく専門家を決めておくことによって、大きな得をすることはよくあります。

例えば、パソコンと周辺機器・ソフトの選択や生命保険を選択する際、どういうものを選択すればいいか素人の知識では難しいです。素人判断でパソコン関係の機器を購入する場合、余分なソフトを買ってしまうことで支出を増大させるかもしれません。

保険の場合も同様です。極端な例かもしれませんが、現在も将来的にも扶養する人をもつ予定がない人が、死亡時に何千万もの高額なお金が支払われる生命保険に加入して、高い保険料を長年にわたって払い続けてしまうこともあります。

そのようなときに知識のある専門家が、自分の状況にあった適切な商品を勧めてくれればどうでしょうか。あなたにとって本当の意味で費用対効果が高いものであれば、多少の手数料を払ってでもアドバイスを受けたいと思うはずです。

これと同じことが、かかりつけ薬剤師でもいえます。

「かかりつけ薬剤師」をもつことの意義は、それぞれの患者個人にあった適切なアドバイスを行い、健康状態を維持・増進することにあります。「かかりつけ薬剤師」によって健康維持を実現できるのであれば、患者側も多少の費用負担の増加には納得できるはずです。

そこで、それぞれの患者に「かかりつけ薬剤師」の費用対効果を理解してもらうには、個々の薬剤師の行動と職場環境がカギになります。

そのための第一歩として、どの患者さんにも人当たりよく接することがあります。どのサービスにおいても同じですが、情報提供を露骨に面倒くさがったり、「素人のくせ」にと上から目線で接っしたりすると患者さんは生理的にその薬局でのサービスをためらいます。

また、知識があるからといって患者さんからの質問をごまかそうとするのも問題です。良くも悪くもネット上で健康や病気に関してさまざまな情報が蔓延しています。患者さんがそこから得た知識を元に問合せをしてくることもあります。それに対して、丁寧に対応できる知識や表現力も要求されます。

そのためには、薬だけでなく生活情報を含めた知識を勉強することも必要です。

ここまでは、「かかりつけ薬剤師」に指名してもらうためにすべきことを記述しました。ただ、やはり所属する薬局がどういう姿勢をとっているのかについても、「かかりつけ薬剤師」としてのパフォーマンスに大きく影響します。

【かかりつけ薬剤師のパフォーマンスに影響する職場環境】

薬剤師としての職能を発揮するためには、患者さんから支持を受け、かかりつけ薬剤師としての役割を発揮できる職場環境かどうかを見極める必要があります。

具体的には、薬局という組織をあげて地域住民に対する健康相談会などのイベントを行って支持を得ているかどうかということです。薬剤師として地域住民のイベントに参加することによって、あなた個人としても患者さんから支持してもらえるきっかけになります。

また、薬局内で患者さんの満足を高めるインフラ整備も重要です。単純な例ですが、患者が事前に処方せんをメールなどで受け取る仕組みがあれば、待ち時間なく薬を受け取ることができます。

このような対策は患者に満足感を与えることになり、薬局だけでなく薬剤師個人も支持してもらえることきっかけになります。

「かかりつけ薬剤師」として役割を発揮するためには、個人としての資質の向上にのみ目が行きがちです。しかしながら、実際は所属している職場(薬局)の姿勢も重要です。

ただ、中には患者さんの「満足度向上に対しての取り組み」が少ない調剤薬局が存在するのも事実です。そうしたとき、かかりつけ薬剤師としてのキャリアに不安になります。そこで、より地域密着でかかりつけ薬剤師の取り組みに積極的な薬局を探したい場合、転職エージェント(転職サイト)に相談するのも一つの方法です。

転職エージェントには、「どの薬局がどのような特色があるか」に関する情報の蓄積があります。その中で、転職サイトであれば「どの薬局で働ければかかりつけ薬剤師として活躍できるのか」をアドバイスしてくれます。

自分の置かれている環境について、かかりつけ薬剤師としてのキャリア形成に充分であるかを客観的に分析しましょう。そうした上で、いまの職場に残ることも含めて、最適な判断をするにも転職エージェント(転職サイト)を活用するといいです。

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