薬剤師転職での面接 INTERVIEW

定年後の高齢薬剤師が転職先で短期退職してしまう理由と回避法

定年後の高齢薬剤師が転職先で短期退職してしまう理由と回避法のイメージ

定年後の薬剤師が仕事を続けるには、嘱託や契約社員などという立場でドラッグストアや調剤薬局で勤務するというパターンが多いです。病院や製薬会社などは高齢の薬剤師に対する求人は少ないからです。

しかし、せっかく就職できたとしても、高齢薬剤師の場合は短期退職することが多いです。特に定年までは製薬メーカーなどに働いていたなど、他業種から薬局へ転向してきた薬剤師が適用しにくい傾向があります。

まず、高齢薬剤師が短期退職する理由にはどういったことが挙げられるでしょうか。また、定年後の薬剤師が薬局への転職を果たし、良い環境で働き続けるにはどのようにすればいいのでしょうか。最適の職場を見つけるためには、求人側との条件の刷り合わせが必要です。

高齢薬剤師を受け入れる環境

弊社は薬剤師専門の転職支援会社であるが、ある調剤薬局の人事担当者によると、定年を過ぎた高齢薬剤師の受け入れの条件は、「1、直近で調剤薬局で勤務していた」「2、両手でパソコンのキーボードをたたける」「3、年下の上司に仕える」ことのできることを挙げています。

直近で調剤薬局へ勤務するのは、「いつまで働くかわからない高齢者に薬局での業務を初めから教育する時間と労力を費やせない」という本音があります。

両手でパソコンのキーボードをたたけることというのは、パソコンの入力が遅いと薬歴処理に時間がかかるからです。どんどん未処理の処方せんが溜まっていき、薬局機能が麻痺する可能性があります。

年下の上司に仕えることができるかは、特に現役時代に管理職(マネージャー)経験のある人の場合については、口では「できる」といっていても、実際に入職して勤務していると耐えられなくなることが多いと聞きます。

やはり、管理職経験者にとって自分の子息のような世代の上司から、指示や指導を受けることは、プライドが許さないということなのでしょう。

ただ、2の「パソコンを両手でキーボードを打てない薬剤師」というのは、時代とともにいなくなると考えられます。現代ではパソコン操作のいらない職場というのはどんどん減ってきています。

薬剤師の職場でパソコン操作のない職場などほぼないでしょう。そのため、これから定年を迎える薬剤師でパソコン操作に関して難のある人は少なくなると考えられます。

3の「年下の上司に仕えることに関する抵抗」ですが、これは本人の心構え次第です。個人的な考え方を変えれば、クリアできます。

これらの意識を変えたうえで応募すべき求人は調剤薬局です。調剤薬局の経験がなく、未経験であっても受け入れてくれる企業もあります。立地などの要因で応募がすくなく人手不足の企業であれば、事業維持のためなんとかして薬剤師を確保しようとするからです。

では、調剤薬局未経験の薬剤師が調剤薬局に求職して、結果的に短期退職にならないようにするためにはどのようにしたらいいでしょうか。

高齢薬剤師が短期退職に至る原因

定年後の高齢薬剤師が弊社のような転職サイト(転職エージェント)に応募してきたとき、私たちはまず勤務候補の薬局のリサーチを進めます。そこで注目すべきなのは、処方せん枚数と応需科目です。例えば小児科などは処理が複雑でスピードも要求されるので、高齢で未経験の薬剤師は敬遠したほうがいいでしょう。

また、年齢や社会人としての年数を重ねていることから過度な期待を持ち、いきなり即戦力として扱う職場も避けるべきです。ただ、時間と労力を使って採用した薬剤師に対して、雇用側がそのような過度な期待を押し付けて自ら早期退職に追い込むようなことをすることはないので安心しましょう。

短期退職という事態になる理由は、採用前の求人側と求職者側がそれぞれ抱いているの思惑の違いが面接などで明確にならずに、採用と入職に至ってしまうことによって生じます。

要するに、雇用側としてはできるだけ即戦力を期待しているにもかかわらず、一方で求職者側はある程度の教育や引継ぎなど仕事をこなす上で周りから手厚いサポートを受けられると考えて受身的になっているのです。

双方がこのような感覚で入職すると、転職を完了した高齢薬剤師は指示されないと動かないし、雇用側や同僚の薬剤師は「こんなこともできないのか」という感覚になります。

新人の入職者(定年後の薬剤師)にとっては、なにも教えてもらわずに自分にとって新しい業務をしろというのは酷だという意識になります。そして、雇用側は「仕事のできない奴」、高齢薬剤師にとっては「理不尽な職場」と双方が対立し、早期退職という結果になるのです。

それでは、高齢薬剤師が早期退職を回避するにはどのようなことが必要なのでしょうか。

高齢薬剤師が早期退職をさけるには

早期退職という事態を避けるには、採用選考の段階で、雇用側の要求に「応募者側の経験や能力が見合っているか」を双方が見極める必要があります。または、たとえその場でその能力が見合ってないとしても、クリアするための期間を計算し、それが許容できる期間か見極める必要があります。

そこで重要なのは、求人側と求職者側が選考の段階でそれぞれの思惑を正直に申告することです。つまり、求人側は求職者にどのような仕事をどれだけの教育期間でこなせられるようにならなければいけないかを伝達するのです。

一方で、求職者側は自分の実力がそれに見合うか自己評価し、判断がつかない場合はこれまでの職歴を披瀝し、できるだけ客観的で正確な求人側の判断に意図的にゆだねる姿勢が重要です。

例えば、調剤薬局などの求人先の企業が即戦力やそれに準じる薬剤師を望んでいることがあります。こうしたとき、調剤経験のある病院薬剤師であれば即戦力として活躍できます、一方、調剤未経験の薬剤師であると調剤経験がないため、即戦力としては機能しません。

ただ、調剤未経験で定年後の高齢薬剤師であったとしても、「取扱が簡単な科目」や「処方せん枚数の少ない」などの調剤薬局であれば、受け入れてくれる余地はあります。

このように、求職の薬剤師は自己分析をしっかりして、応募先の事情を理解したうえで、自分に適切な職場か判断すす必要があります。

労働市場における薬剤師の需給は地域や個々の企業によっても違いますが、「薬剤師からの応募」があること自体がまれな企業もあり、その場合はできるだけ応募案件を潰したくないという心理が働きます。

なんとかして薬剤師を確保したい企業にとって、選考段階で「薬剤師からの応募案件」を潰したくない心理が働きます。こうしたとき、応募者に難しいことをいいにくいという実情があります。また、採用してもらいたい薬剤師にとっては、自分の不利になる事柄を自ら伝達をするのを躊躇うこともあります。

しかしながら、思惑の違いというミスマッチを解消しないまま採用となり、入職してしまった後にミスマッチが表面化してしまって早期退職となると、選考過程での費用や労力、時間がすべて台無しになり、双方にとって不幸なことです。

そのような全く無駄なことを回避するにも、選考段階で双方が本当に正直になってそれぞれの思惑を伝達し、すりあわせをすることが重要です。

薬剤師が自己分析を行う重要性

求職者側は自分の経歴から、特に製薬メーカー経歴から高齢になって調剤薬局に応募するなどの異業種を志望する場合は、自分が応募先の職場で「現時点の能力で対応できる業務と対応できない業務」を客観的に把握すべきです。

例えば、現時点の能力で対応できる業務としては、医薬品の知識を活かした同僚や患者さんへの情報提供があります。一方で調剤業務や保険薬剤師としての経験はありません。

それを受けて求人側は、「どのくらいの教育期間で一人前になれるか」「どのくらいで一人前になってもらわなければならないか」を判定しなければなりません。

その判定が正確なものかどうかは分かりませんが、求職者と求人側がお互いの思惑を確認する作業をスキップしたまま判断するよりは、はるかにミスマッチを回避できる可能性が高まります。

求職者側としても求人側の要求が自分にとってハードルが高いと思ったならば、正直に申し出るべきでしょう。

面接の場面で虚勢を張れば、結果的に採用されるかもしれません。しかしながら、結局入職後に期待に沿えられずに短期退職に陥った場合、就職活動と入職後の勤務に費やした時間と費用が無駄になってしまうばかりでなく、転職に失敗したという事実から落胆して精神的な打撃を受けてしまいます。

プライドを痛く傷つけられ、再起どころか求職をすること自体を躊躇してしまう人もいるでしょう。つまり、虚勢を張って無理に入職して期待に沿えずに早期退職という結果に陥るよりは、現状の実力を判断し違う転職機会を探す方が効率的だということです。

場合によっては、求人側のハードルが高いことを正直に申告すれば、求人側もそれを考慮して一人前になるための教育期間を余裕のあるものにしてくれるかもしれません。つまり、妥協してくれるのです。

正直に申告することがきっかけで交渉する余地がでてくるかも知れないのです。また、自ら給与面の要望を妥協することで、ハードルを下げてもらうことも考えられます。例えば、年収500万円を「最初の1年間は400万円にする」など、求人側にとって受け入れの際の負担を軽減させるのです。その結果、入職後に余裕をもって勤務でき、短期退職のリスクを回避できます。

要するに、短期退職は双方にとって時間と費用の浪費であり、特に求職者側(薬剤師側)にとっては落胆やトラウマといった精神的なダメージが加わり、そのダメージに起因とするその後の再就職活動に悪い影響を与えかねないのです。

ただ、求職者側が採用選考にあたって、求人側に自分の弱点や不安を自らさらけ出すのには躊躇や精神的な負担があるでしょう。そこで、どのようにすれば少しでもそのような感情を抑えることができるでしょうか。

高齢薬剤師がより確実に短期退職を回避できる職場をみつけるには

心理的な抵抗を抑えつつ選考の段階で、自分の不安や弱点の雇用側への伝達は転職サイト(転職エージェント)を通す方法があります。言いにくいことを第三者から指摘してもらうことで、調剤薬局やドラッグストアなどの求人側もある意味で気楽にあなたを受け入れて対応を判断できます。

例えば、弊社ファーネットキャリアでお世話をした60代男性の求職者で製薬メーカーに定年まで勤めた方がいらっしゃいました。その方は、高齢者であっても働ける調剤薬局への求人を志望されていました。

謙虚な方であり、調剤薬局の経験がまったくないことを不安に思われ、転職エージェントである我々にもその事実と不安を伝えてくださりました。そのため、受け入れてくれる調剤薬局ののリサーチは難航しました。

ご本人さまにもその状況を都度報告し、できるだけ受け入れてもらうために、給与面で妥協できる点はないかなどご本人さまと協議しました。そして、ついにある調剤薬局さんより「時給制(時給2,000円でのパート勤務)あるなら可能」という求人をいただきました。

その求職者さまは、リサーチのいきさつもご存知でしたのですぐに快諾され、面接のその日に入職されました。雇用側が目安としていた3ヶ月の試用期間もクリアされ、ご勤務されています。

弊社ファーネットキャリアでは、定年後高齢薬剤師さまのみにかかわらず、薬剤師さんの感じていらっしゃる経験不足などの不安を事前にできるだけお聞きしております

そして、求職者さまと求人企業さまとの話し合いを通じて、双方の思惑のミスマッチ、さらにはその結果で起こりうる短期退職という事態を回避することを心がけております。

これが、求職者と求人側の双方にとって短期退職によって生じる金銭的、時間的、精神的な損失を回避することに繋がります。

ファーネットキャリアが最高の転職を実現させます
薬剤師の方々が私たちのような転職エージェント(転職サイト)を利用することによって、「多くの求人から、、希望条件に合う職場を見つけることができる」「職場見学や社風の調査を含め、ミスマッチを事前に防止できる」などを行うことができます。これを自分一人で行うことはできないため、転職エージェントが代わりに行うことは大きな意味があります。

弊社ファーネットキャリアでは薬剤師専門の転職支援を行っていますが、このサービスによって良い職場で働ける薬剤師さんを増やすことが当社の指名です。既にある求人を提示するのではなく、必ず面談を行うことでヒアリングし、その内容を元にしてゼロから求人を作成するなどによって、当社ではミスマッチを極限まで減らすことに成功しています。

転職を行うとき、少しでも不安がある方は弊社ファーネットキャリアのサービスを活用ください。どの職場でダメだった場合であっても、ファーネットキャリアであれば必ず良い転職を実現させます。

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