転職活動での人間関係はさておき、実際に薬剤師として業務を行う上で人間関係は重要な要素です。

医療従事者にとって人間関係というのは、単に特定の人を「好き」とか「嫌い」といった個人的な感情で判断するものだけではありません。人間関係によっては、重大事故にも影響してくるのです。

特に薬剤師は医薬品を扱う以上、薬の取り違えといったミスは患者さんの健康にかかわります。場合によっては生死に影響してきます。

ただ、分からないことや疑念のある事柄に関して同僚や上司に聞きにくい雰囲気が職場にあった場合、それは医療事故という重大な結果にまで影響してきます。

それでは人間関係において、どのような状況が重大な事故を起こしうるのでしょうか。まず、職場に過度の上下関係があり、上位のメンバーが権威･権力を下のメンバーに振りかざす職場がこれに該当します。

その結果、下位のメンバーは萎縮して上司の判断や処理の間違い、問題点を指摘できず、その結果として事故が生じてしまうのです。

また、メンバーに処理（調剤や監査など）を焦らす雰囲気も事故に結びつきます。時間に追われていると、確認作業をを省くなどしてミスや事故が生じるのです。

どの職場でも忙しくなると、ヒステリックな状況になることがあります。そのような職場で管理者が急かすような言動し煽り立てれば、なおさらです。

ミスが起こりやすい局面においては、安全第一と考えて、「慌ててミスをすることにより、やり直したり修正したりするよりも、落ち着いて確実に作業した方が早い」という雰囲気を作り出すことが必要だといえます。

また、曖昧なことを他人に聞くことに多くの人は抵抗を感じます。「こんなことも知らないのか」とか、「わかりきったことだろう」と思われるのに抵抗をもつ傾向があるからです。

その感覚が職場全体に蔓延し、意思疎通が不足してしまうことがあります。そうすると、｢聞けばすむこと｣を聞かずに処理をし、ミスや事故が起こってしまうのです。

そこで、人間関係が重要になります。聞きやすさというのは、相手との親密になればなるほど高まります。だからこそ、職場の対応としては「メンバー相互の親密さを高める施策」が必要となるのです。

具体的には、メンバー同士での親睦会・慰労会・慰安旅行など楽しいことを通してお互いを理解し、親しくなる機会を設けます。その延長戦上で、職場でも聞きやすい人間関係を作ります。

一見、遊びとも思える事柄が職場での「人間関係」を改善することに役立ちます。そして、結果的にミスや事故を防ぐことに繋がるのです。

薬剤師を含む医療関係者は、いったんミスをして事故を起こすと患者さんは大きな不利益を被ります。また、当事者は責任を追及され、キャリア形成に悪影響を与えます。

このようなミスや事故を防ぐため、いかに人間関係を良好にするかについてを考えるのも薬剤師のキャリアを考えるのに重要なことです。

もし現状が「良好な人間関係の構築に無頓着な職場」だと判断できるなら、その時点で転職エージェント（転職サイト）を活用するタイミングでしょう。

転職サイトであれば、個人では調査するのが難しい求人企業の「社風」や「雰囲気」といった情報も提供してくれます。こうした情報は人間関係（＝働きやすさ）に直結するため、これらの調査をしたうえで、これまで述べてきたような良い職場で働くようにしましょう。

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