コーディネーターレポート REPORT

北海道HOKKAIDO

事務員が監査を行う薬局から、北海道札幌市の病院へ転職支援

病院のイメージ写真

薬剤師不足が原因で発生する問題の一つに「無資格調剤」があります。厚生労働省は「無資格者が直接計量・混合を行うことは薬剤師が確認のもとであって違法」と通達を出しました。

しかし錠剤やカプセルなどの計数調剤に関してはある程度、黙認している印象です。働いているうちに仕事内容の線引きがあいまいになり、いつの間にか違法行為が常態化しているのだと思います。

そのようなコンプライアンスが遵守されていない職場環境に危機感を覚えた薬剤師さんから弊社ファーネットキャリアへ転職依頼を頂くことがあります。例えば、北海道札幌市に住む、20代の女性薬剤師さんから相談を頂いたことがありした。

事務員さんがピッキングだけでなく監査まで行い、さらには薬剤師名の監査印まで押しているという状態だったそうです。何か起こったときのリスクを考えて同じ北海道札幌市の調剤薬局への転職をお手伝いさせて頂きました。

宮城県仙台市の調剤併設型ドラッグストアでキャリアスタート

宮城県にある薬科大学を卒業され、そのまま実習でお世話になった宮城県仙台市にある調剤併設型ドラッグストアで勤務を始めました。実習中に担当してくれた先輩薬剤師の仕事に対する真摯な姿勢に感銘を受け、同じ職場で学びたいと考えて入社を決められたようです。

入社後は希望が叶い、実習でお世話になった薬剤師さんと一緒に精力的に働きました。業務比率は調剤とOTCが半分ずつだったため、「売り場づくりのノウハウ」や「お客様と打ち解けて、お客様へプラスアルファの提案をする技術」など幅広いスキルを身に着けていったそうです。

ただ、学生時代からお付き合いをしていた方と結婚を前提に同居をすることが決まったため、3年間働いた宮城県仙台市のドラッグストアを退社されました。

北海道札幌市にある調剤薬局チェーンのずさんな現状

北海道札幌市への引っ越しを済ませ、同棲生活が始まりました。生活に慣れるために最初の1ヶ月は仕事をされなかったそうです。その1ヶ月で就職サイトの情報を見ながらご自身で就職活動を行い、関東・東北・北海道に展開をする調剤薬局チェーンに就職をされました。

ただ、前職の経験を活かしたいという希望があったため、「家から近い内科クリニックの門前にある調剤薬局」と「調剤併設型ドラッグストア」の掛け持ち勤務をすることになったそうです。

緊張しながら新しい職場での勤務を開始されましたが、ドラッグストアでの仕事は前職に通ずるところもあり、スムーズに馴染めました。しかし内科の門前店舗はスタッフの人数に対して患者さんが多く、待合室はいつも患者さんで混雑しており薬局の雰囲気も良くなかったそうです。

当初、「ドラッグストアで遅い時間まで勤務することには慣れているから、忙しいだけなら頑張ることができる」と考えていらっしゃっいました。しかし、この店舗では忙しさからか、事務スタッフがかなりの割合で調剤を行っているのが初日から気になっていたそうです。

1ヶ月は様子を見ながら勤務をされていらっしゃいましたが、「ひどいときは調剤室にほとんど薬剤師がおらず、事務スタッフがピッキングと監査を行い、薬剤師名の印鑑を押していることもあった」と怒りを抑えた様子で話をしてくれました。

あまりにずさんな店舗の状態に強い危機感を覚え、調剤薬局については一刻も早くしっかりとした職場環境でリスタートを切りたいと弊社ファーネットキャリアへ問い合わせを頂きました。

病院への転職活動を開始

ファーネットキャリアでは薬剤師さんと紹介先とのミスマッチを減らすために事前の面談をしています。今回、私は寒さの厳しい2月に北海道札幌市まで伺いってお話をしてきました。

私に対して、薬剤師さんは現職のずさんな現状を真剣なまなざしで話してくださいました。その一方で、ときおり見せる笑顔から患者さんに対して安心感を与えることができる薬剤師さんだとお見受けしました。

今回の一件から、「薬剤師としての原点に立ち返りたい」という気持ちが強くなり、「臨床の現場でチーム医療に携わることのできる病院」で勤務をしたいと話してくれました。未経験のため、病院のタイプ(慢性期病院、中規模病院などのタイプ)などに希望はなく、通勤が北海道札幌市の自宅から車で30分以内だとうれしいとのことでした。

上記の希望は、この薬剤師さんが新しい環境でのスタートを非常に前向きに捉えている証拠だと感じました。しかし、私はこの薬剤師さんが病院未経験であることを考慮して、以下の提案をしました。

  • ・薬剤師が複数在籍していて教育・研修をしっかりとしてもらえること
  • ・結婚後も長く勤務することを見据えて、当直や夜勤が少ない病院

薬剤師さんも納得してくださったので、求人案件のリサーチを開始しました。

まだ20代という若さに加えて、仕事に対する責任感の強さが評価されたのか、すぐに以下の3つの病院の求人を取り付けることができました。

  • ・200床ほどの急性期病院
  • ・300床ほどの療養型病院
  • ・250床ほどの精神病院

②の病院は通勤時間帯に渋滞が発生して1時間はかかる可能性があるので一旦保留とし、①と③の薬局へ面接に向かうことになりました。面接当日は私も同行させてもらい、薬剤師さんと病院との橋渡しをさせて頂きました。

面接のとき、病院薬剤師の仕事の範囲や他職種との連携方法など、疑問に思ったことや知りたいことをどんどん質問されていらっしゃいました。

面接後に2つの病院の印象を伺うと、「どちらもいい病院で働いてみたいと思いました。ただ、③の病院のほうが他職種との関わりが強いと感じましたし、院内の雰囲気も明るいように感じました」と話してくれました。

一週間後には両方の病院から採用のお返事を頂けたので、薬剤師さんにお伝えしました。薬剤師さんも驚いた様子で、「両方に合格するとは思ってなかったので驚きました。選ぶのも申し訳ないのですが、③の病院でお世話になろうと思います」と返事をくださいました。

入職決定から1ヶ月で現在の薬局を退職し、病院での勤務を開始されました。3ヶ月経ったころにお電話で話を聞いてみると、「忙しいですが、前職のようなコンプライアンス違反心配はないので前向きに仕事ができています。心がすっきりしたおかげで趣味のスキーも毎週のように楽しめています」と現在の状況を話してくださいました。

薬剤師として働いていると程度の違いはあれど、同じように無資格調剤の危険性を感じたことのある薬剤師さんは多いと思います。事務員さんに手伝ってもらうことで調剤がスムーズに進みますが、問題が起こると責任を取らされる可能性が大いにあります。

この薬剤師さんはコンプライアンス違反の現状を見てすぐに危険と察知して、退職するという判断をしました。しかし、辞めようと思いつつも辞めることのできない薬剤師さんも多いのではないかと思います。もし、そのような悩みをお持ちの薬剤師さんがいらっしゃいましたらファーネットキャリアまで相談してみてください。

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